TOYOTA & Panasonic present『もうひとつの歴史』
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鈴鹿


■鈴鹿峠(三重県鈴鹿郡)

天高くそびえる木々に囲まれた、深い山の中。今でも険しい山道が残るこの峠は、群行の中で一番の難所でした。この峠を越えれば、いよいよ伊勢の国です。
滋賀県と三重県の境にある、鈴鹿峠。古くから京と伊勢を結ぶ交通の要所とされ、箱根峠と並ぶ難所として知られていました。当時はこの鈴鹿越えに10時間程かかったとか。急な坂道や崖もたくさんあり、撮影をした小田さんもちょっと歩きにくそうでした。まして多くの荷物を携え歩いた群行は、大変な苦労をしたことでしょう。今では国道が通り遊歩道もあるので、マイナスイオンを浴びながら気持ちのいい散策もできますよ。

■鈴鹿(赤坂)
 頓宮跡(三重県鈴鹿郡)


関の町が一望できる、山の中腹。ここに鈴鹿の頓宮があったと言われています。斎王はこれから進むゆくえを、どんな気持ちで見つめたのでしょう。
めいっぱい深呼吸をしたくなるような、緑に囲まれた静かな場。今は整備されて憩いの公園になっています。散策の途中、ここでひと休みして関の町を眺めるのも気持ちいいですよ。斎王群行図がカラフルに描かれた石碑があり、当時の模様を見てとることができます。

■関宿(三重県鈴鹿郡関町)

鈴鹿山脈の麓に位置する関町。古代に東国の備えとして設けられた三関のひとつ、“鈴鹿の関”から名付けられたこの街は、東海道五十三次第47番目、屈指の宿場として大名行列や伊勢詣りの旅人で賑わいました。
江戸時代にタイムスリップしたような、古きよき佇まいの残る町。1本の道の両脇に電気屋、居酒屋までもが昔の趣をそのままにした建物が並び、国の「重要伝統的建造物群保存地域」に選ばれています。格子戸と、ひさしのように軒先に下がる“幕板(霜よけ)”と、二階の低い町屋が特徴的。すれ違う人と自然にあいさつを交わし、おばあちゃんたちが縁側で話を弾ませる関の町には、長閑でやさしい空気が流れていました。

■東の追分(三重県鈴鹿郡関町)

関宿の東の入り口となる東追分は、東海道と伊勢街道の分岐点。斎王の群行もここを通って伊勢へと向かい、最後の宿となる壱志の頓宮を目指しました。
坂を登ると目の前に見えてくる鳥居は20年に1度、遷宮の度に伊勢神宮から譲り受けるもの。具合や都合が悪くなって伊勢まで行けなくなった場合、この鳥居の下から伊勢方面に向かってお詣りをして帰る遥拝所にもなっています。関宿を歩いていると、夏でも玄関にしめ縄が飾られているのが目に付きます。これは伊勢詣りの参道であることから、年中しめ縄を飾り、伊勢の神様を敬いお祀りする気持ちを表しているものだそうです。

■地蔵院(三重県鈴鹿郡関町)

関宿の中央部分に位置し、日本最古の地蔵菩薩があるお寺。近隣の人や東海道を旅する人々の信仰を集めていました。ここに明治天皇も行幸されるなど、皇室ともゆかりのある由緒正しいお寺です。境内の本堂・鐘楼・愛染堂は、国の重要文化財に指定されています。
建物だけでなく、本堂の天井画、掛け軸や書、香炉、菊のご紋の入った襖など、みどころはたくさん。至る所に品よく飾られているお花にも目が留まるのですが、これはご住職・光順さん自ら生けられたもの。歴史の重みの中に、ご住職のやさしさがちりばめられていました。また、ここではご住職お手製の精進料理も味わうことができ、試食された小田さんもそのおいしさに舌鼓。小田さんとご住職は斎王を通じて会話も弾み、ご本尊の前で無邪気にお願い事をされるなど、意外な一面も覗かせていらっしゃいました。