TOYOTA & Panasonic present『もうひとつの歴史』
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京都


■卜定

天皇が交替すると、まず亀の甲羅で「卜定(ぼくじょう)」と呼ばれる占いを行いました。これにより、候補者の中から斎王になる女性を決めたのです。
卜定は、海亀のお腹の甲羅を焼いてできた亀裂の形で、候補者の吉凶を占ったとか。番組では、あまり残されていない文献をかき集めて再現してみました。甲羅から立ち上る細い煙と、パチパチと焼かれる小さな音。小田さんも静かに見守ったこのたった一瞬の出来事で、ひとりの女性の運命が大きく動かされたのです。
■野宮神社
 (京都市右京区嵯峨野)


斎王に選ばれた皇女は、皇居にある初斎院で1年、次に野宮と呼ばれる仮の宮で1年、身を清める精進潔斎の日々を送りました。その野宮があったとされるひとつが、この野宮神社です。
嵯峨野は、昔から歌に詠まれたり物語りの舞台になった、風情ある場所。竹林の小径を、幽玄な自然美を感じながらしっとりと散策することができます。なかでも野宮神社は、黒木の鳥居と小柴垣に囲まれ、平安の風情を今に伝えるところ。その美しさは、自らも、またその娘も斎王になった六条御息所が登場する、「源氏物語『賢木の巻』」に描かれています。あらゆる願いを叶えてくれる神社としても有名です。
■京都御苑(京都市上京区)

いよいよ伊勢へ出発となると、宮中で『発遣の儀』が行われました。ここで天皇は「都の方に赴きたもうな」とお声をかけられ、斎王の髪に「別れのお櫛」をさされたとか。斎王も決して振り向いてはいけないというしきたりだったそうです。これにより、天皇の祭祀権を斎王に分け与えました。小さなお櫛に多くの涙と責任の重さが込められた、悲しい儀式だったことでしょう。
京都は平安から明治まで都があった、歴史ある場所。昔の和の風情と落ち着きが今も残る古都の町です。その京都盆地のほぼ中央にある京都御苑には、宮家や公家の邸宅が建ち並んでいました。それが整備され、今では市街地のなかの憩いの場として、多くの自然を愛でることができます。これから秋になると、京都は一番の観光シーズン。 艶やかな紅葉や神社仏閣の特別行事など、風雅な世界が楽しめますよ。
■葱華輦

斎王たちの伊勢への旅を「群行」と呼んでいました。「群行」の時斎王が乗っていたのが、この葱華輦(そうかれん)。これは、天皇と皇后、そして斎王しか乗れない、特別なものだったそうです。
斎王の群行は、葱華輦を中心に、馬に乗ったり、豪華なお道具を持って歩いたり、500人以上の人が連なる華麗な行列だったとか。小田さんも後に訪れる「いつきのみや歴史体験館」で、葱華輦に試乗。「意外と高いですねー」と初めはちょっとオドロキぎみでしたが、ドラマシーンに入ると斎王そのものと思える淋しげな表情がこぼれ、葱華輦に乗った当時の斎王を見ているかのようでした。