なみだのウイスキー
-Miyagikyo Twice Up-
優のお母さんとの思い出のお酒
『宮城峡の水割り』を出した雪だったが
優の思い出とは違っていた。
騎帆と日代子に相談し、謎が解けた。
雪は再び優のもとへ行き
お詫びと感謝を込めて
「思い出のお酒、ようやくお出しできそうです」と言った。
思い出と違ったのはウイスキーではなく
割る水の方に秘密があった
きさらぎ ふうろ<楓露>
という
泣きイタヤ(メイプルシロップのもと)で
シングルモルト宮城峡を割った。
涙目になるくらい甘いウイスキーは
優の思い出そのものだった 。
そして雪はお店に名前を付けた
『サテライト』
いつも私たちを照らしてくれるお月様・・・
そういうお店にしたいです。
サテライトにまたおこしくださいねと優に伝えた。
宮城峡の水割り
-Miyagikyo&Water-
いつも水ばかり飲んでいた優だったが、優のお母さんが大好きだったお酒を飲みたいと、なけなしの小銭を出して雪に話した。
宮城県の南にある宮城峡蒸留所
、
シングルモルト宮城峡・・・
フルーティーの甘みのあるお酒だと、
『宮城峡の水割り』を出した。
香りをかいで一口、
優は「お母さんの泣きイタヤは涙目になるくらい甘いウイスキー」と
噛みしめるように言った。
もう二度とお母さんには会えない・・・
と笑った
優は「ありがと」といって雪のバーを去った。
同じ哀しみをもつ優を雪は引き止めきれなかった。
チョコレートグラスホッパー
-Chocolate Grasshopper-
雪は幼いころに母を亡くした。
雪自信が母親となり、屋台バーに来るお客を癒す代償行為で
自分の心の傷を埋めようとしている・・・・
雪の心の中を読み解いたテレシアだったが突然のクシャミにより中断された。雪はテレシアの花粉症に気づきアレルギーを考慮し、
作ろうとしていたスイカのカクテルではなくカカオリキュールを・・・
また日焼けを気にしているテレシアを気遣ってミントを使って
一から別のカクテルを作ることにした。
テレシアは雪のカクテルにより心をほぐされた。
テレシアも、雪も、目の前の人とどこまでも向き合っていた。
すみれフィズ
-Violet Fizz-
刑務所から出所したばかりの長坂が 雪のカクテル“桜フィズ”を求めて屋台バーにたどり着いた。長坂にとって“桜フィズ”はまるで時限爆弾のようだった。
昨日まで塀の中にいたことを聞いた雪は 桜フィズの後に、すみれフィズを提供した。
『桜と共に春を祝う花
すみれフィズとすみれの砂糖漬け』
自分の罪を償いきれず自問自答する長坂に
やり直せたらいいですね・・・・と伝えた。
ハーベイ・ウォールバンガー
-Harvey Wallbanger-
幸田は雪に心を奪われてしまった。雪の屋台バーを探しては、自分の気持ちに気づいてほしくて、いつもスクリュードライバーを頼んでいた。
カクテル言葉は「あなたに心を奪われた」幸田は、海外転勤の前に最後の頼みとして雪に願い事をした、僕の隣でカクテルを作ってと・・・
雪はスクリュードライバーにガリアーノを加えたことで
ハーベイ・ウォールバンガーという別のカクテルを作った。
カクテル言葉は「視線を感じて・・・」
雪は幸田の肩に身を寄せた。
しかし、これは幸田の甘く切ない妄想だったのかもしれない・・・・
ヒヨコレインボー
-Hiyoko's Rainbow-
ストーカーとして日代子の前に突然現れた同級生・美樹本には、自分が自分であることを認められなかった過去、日代子からもらった特別な言葉があった。それなのに、陰湿ないじめを見逃してしまった自分に負い目を感じていたことを謝りにきたのだった。
フレアバーテンダーの『フレア』とは自己表現の意味がある、表現してお客さんに楽しんでもらう仕事だと言って日代子は特別な七色のカクテル『ヒヨコレインボー』を作った、美樹本は日代子からまた元気をもらった。
ダーティマザー
-Dirty Mother-
『ダーティマザー』そのカクテルの名前は謎に包まれている。
誰もその名前がついた本当の理由を知らない。
【汚れた母親】そのままの意味だというシングルマザー・真奈美に雪は、
「家事や仕事に一生懸命働いてしみついた母の汚れ
」
ダーティマザーにはそんな母への感謝と尊敬の意味が込められている・・・。
ソラ君はお母さんのオムライスが大好きだと伝えた。
ローズペタルモヒート
-Rose petal Mojito-
雪が喪服姿の謎の女性に作ったカクテル、モヒート
文豪ヘミングウェイも愛したというモヒートは
ラムとミント、ライムとソーダで作るキューバの代表的なカクテル。
ライムとミントの爽やかな香り、ミントの葉の涼しげなみどりが特徴。
雪は、せめてもの手向けにと献花用のお花としてバラを添えて赤のアレンジを加えた。
ジャックローズ
-jack rose-
若尾が雪とのジンフィズ対決のあと騎帆にカクテルを作って欲しいとお願いした1杯。
若尾がエリシオンで働く以前、客として騎帆に作ってもらったカクテル
『ジャックローズ』
おいしくて、かっこよくて騎帆みたいなバーテンダーになりたいとあこがれていた。
騎帆はその時のことを覚えていて若尾に同じカクテルをつくった。
若尾は再びエリシオンで働くことを決める。
レッド・スナッパー(醤油ver.)
-Red Snapper / Say sauce-
飲めない和尚が雪にオーダーしたお酒に見えないカクテル
禁酒法時代にトマトジュースに偽装するために考案された、
その名も『レッド・スナッパー』[赤い魚]という意味をもつカクテル。
燻し醤油を隠し味に入れている。かつおだしのような濃い旨味と甘み、燻製によってより強まった醤油の香りがトマトによく合う。
トムアンドジェリー
-tom and jerry-
なんでもいいから強い酒と要求する青柳辰哉の胃を気遣って雪が提供した一杯。19世紀末のバーテンダー、ジェリー・トーマス考案の卵を使ったカクテル。優しい味。風邪の時に薬の代わりに飲まれることも。
村雨
-murasame-
お酒に詳しい男 剣堂が焼酎で作ってと雪にオーダーした一杯