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12/6(月)緒形 拳・石川亜沙美/記者会見
奈良は日本のヘソだ!(緒形 拳)
12月6日(月)【記者会見 in ホテルオークラ】
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昨年の大晦日から制作してきた『遥かなる大仏への道』。1年をかけて、ついに記者会見の日を迎えることができた。緒形 拳さん、石川亜沙美さん、そして前橋監督が晴れがましい笑顔でかけつけ、記者たちに奈良での思い出を語ってくださった。以下、その模様をレポートする。
記者/まずは緒形さん、石川さん、前橋監督のご挨拶から。
■緒形 : いやあ・・・今回は、娘のような、孫のような石川さんといっしょに奈良の街をぶらぶらと歩きました。おわり!!

■石川 : まるでお父さんのような、心強く、あたたかい緒形さんと奈良を歩くことができて、本当にうれしかったです。奈良は、修学旅行以来でしたが、この年になって感じたことがたくさんあり、勉強になりました。

■前橋監督 : 寡黙な緒方さんに代わって・・・少し、緒形さんがおっしゃったことを代弁させていただきます。「奈良をどのように思うか?」という質問に、緒形さんは「奈良は日本のヘソだ」とおっしゃいました。1250年前、日本がひとつの国として産声をあげた年、ひとつの独立した国のその場所を“ヘソ”だと表現されました。そのヘソの象徴が大仏だったのでは?と思うんです。寡黙な緒形さんですが、なんでカメラがまわってるときにその感想をいうてくれへんかったんかな、と。それが残念でたまりません。そういう意味で、みなさんについている“ヘソ”、ついているけど忘れている“ヘソ”を見直してみよう、と。そういう番組に仕上がっていると思います。ぜひ、ご覧ください。

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記者/この番組にかかわる前と、後で、大仏への思いに変化はありましたか?
■緒形 : 私は、奈良が大好きなんですね。理屈ではなく・・・。大仏はいいですよね。最近、携帯電話でも、なんでもが、小型化されるなかで、デカイというのはいい。3日前、芝居の巡業中で奈良にいたので、朝、大仏に逢いにいきましたよ。「大仏さん、放送が、12月31日になりました。いい番組に仕上がってると思います」と報告しておきました。

■石川 : 中学の修学旅行では、大仏を見たというより、そこで写真を撮った記憶しか残っていません。でも、今回、大仏さんを見上げたとき、その大きさとか、すべてを任したくなる感じとか、心が勝手に解放されていく感じがあって、あたたかい気持ちになれました。ひとり旅でまた逢いに行きたいと思います。

記者/俳優として大先輩の緒形さんから、現在、モデルから女優へと躍進されている
石川さんに向けてアドバイスがあったら教えてください。

■緒形 : 僕が石川さんにアドバイスですか・・・?ないです・・・(笑)。ただ、できあがった番組を見ると、僕は、まるで石川さんの引き立て役みたいですね(笑)。大仏も、奈良の町も、僕も、古ぼったいなかで、石川さんの存在が輝いている!

■石川 : 監督から、緒形さんが陰の部分を演じるので、私には陽の部分を演じてほしい、というお話があったんです。でも、なにより、いっしょにいる時間はしあわせでした。

記者/「大仏に負けない存在」ということで緒形さんがキャスティングされた、とい
うことですが、実際、大仏を目の前にして、その、存在に負けませんでしたか?
■緒形 : ・・・たとえば、島田正吾という自分の師匠を生涯かけて乗り越えるなんて出来ないし、乗り越えようと思いませんし、乗り越えられるとも思いません。島田正吾という俳優は実に偉大だった、大仏さんのような人だった、とひしひし感じます。昨日、島田先生からの手紙を読んだのですが、「自分はサロンの役者ではない。自分は大劇場の役者である」と書いてありまして・・・ああ、僕は、今サロンのような芝居をしているなあ、と思いながら、めげているところです。

■石川 : 大仏さんに対して、自分がどう居られたかというのは、比べられるものではありません。でも、私はこれまで、歴史や奈良にあまり興味がなかったんです。知らないことばかりだったんで、その分、素直に感じてみようと思っていました。ですから、決して、嘘の表現はしていない。その自信はあります。その場その場で感じたことを、素直に表現できたんじゃないかなあ。

記者/もし、大仏がなかったら?それは、日本人にとってどういうことになるのか?
あるいはご本人にとって、どうかをお尋ねしたいのですが。
■緒形 : まず、修学旅行の目玉がなくなってしまうね(笑)。大仏は、仏教の伝来と大きく関係しますよね。それと日本の国のあり方も変わっていたでしょう。大仏を通して、日本は大きく世界を、見据えてきたんじゃないかと思います。

■石川 : 今の日本があるのは、大仏様あってのこと。人の団結する姿や、努力などは、今も昔も変わらないんだろうと思います。大仏がなかったら、どうなったか、わたしも誰かに聞きたいですね。

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記者/大仏を見たことで、人生観に変化がありましたか?
■緒形 : 人生観・・・?大仏を見たぐらいで、別に変わらないよ。でもね、人って、大仏を見あげるんですね。大仏殿に入ってきて、ふっと・・・。子供たちも、外国人も、み〜んな見あげる。それがいいなあ、と思います・・・なにがいいんだか、わかんないでしょうけど(笑)。いいんですよ。見あげる顔って、なかなかいいですよ。

■石川 : 私も、大仏を見あげた瞬間の感覚が、不思議でたまらなかったんです。あの感動・・・なんだろう、角度によって表情が違うし、ず〜っと観ていたい感覚でした。二月堂から奈良の町をみたときもすごく感動して、ああ、この場所にこれだけの人がいたんだ、という納得のできる広がりに心が奪われ、いつのまにか解放されて、涙が出てしまったんです。監督に泣いちゃダメ、と止められたりして。この年になって、奈良に行けたのはすごく良かったです。本当に、またひとりで行きたいと思います。そして、大仏さんに「ただいま」って、いいたいですね。

10/22(金)石川亜沙美/記者会見
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