11月9日

2011年11月9日 by 綱沢 啓芳

ホテルで朝食。見かけはいいホテルですが、朝食はかなり質素。今日も早速老人ホームへ。
田舎町なので道路を普通に馬車が走っています。
近代化と古い文化の入り混ざった世界です。

さて、老人ホームに到着。とくに何があるわけではないのでしばらくお年寄りの様子を見つつ大広間で待機。金さんは院内のお医者さんに血圧を測ってもらっています。すると・・ 上が160、下が120という超高血圧の結果が!

すっかり元気を失ったコーディネーターをよそに、しばらくすると今日も入居者の家族がやってきました。若い男性で入居者の孫だそうです。おじいさんはほぼ寝たきりに近い状態でベッドに横になっています。彼は北京に住んでいて年に2度ほど顔を見に来るのだそうです。息子たちも時々来ているという事ですがやはり皆忙しく、家でねたきりの老人を介護するのはむずかしいとの事。孫の少し悲しそうな顔を見ていると「老いる」ということを考えさせられました。

ここ楽陵は大阪よりも緯度は高くしかも内陸のため朝晩はかなり冷え込みます。晩秋の風景を撮るべく町で紅葉を探しますが、ロケ車にゴトゴトという妙な振動音が。ここまで何のトラブルもなかった車がついに・・・。停車してタイヤを見ると見事に大きな石が挟まっていました。かなり食い込んでいて手ではとれません。最後は石をたたき割ってようやく取り出しに成功。大事に至らずよかった。。

午後、再びホーム内をうろうろしていると、86歳の昨日インタビューしたおばあちゃんが、「三輪車に乗るから撮って!」と催促してきました。なんでも30年乗っている三輪車だとか。何度も何度も走り回り、止めないといつまでも走っています。「子どもの家にいるとこうやって自由に三輪車にも乗れない」と話し、本当にこの場所が気に入っているようでした。このおばあちゃんを含む3人組はいつも一緒に行動しています。夕方には明日の食事の肉まんの具になる野菜づくりをみんなで一斉に始めました。心から楽しんでいる姿は大勢の人と一緒に楽しく生活することがいかに大事な事かを教えてくれました。
ロケはこれにて終了、明日は移動日です。

11月8日

2011年11月8日 by 綱沢 啓芳

朝5時起き、6時出発。私の体調はさらに悪化していますが今日は後半のキーとなるロケなのでそんなことは言っていられません。早速老人ホームへ、朝食が7時なので朝食の準備シーンから撮影するためです。西にやってきたので日の出が少し遅くなりまだ真っ暗です。
朝食シーン撮影後は私達も朝食、近くの店で食べた羊スープが最高に美味しい。悪寒が少しおさまりました。
戻ると、調理人のおじさんが市場に羊肉を買いにいくところだったので同行しました。
今日は立冬、ということで老人ホームでも寒さに負けないようにとこの日は羊スープをみんなに振る舞う事になっていたのです。昼ご飯に出された羊肉たっぷりのスープ。いつもより豪華な食事にお年寄りたちも大喜びの様子です。

午前中の撮影を終え、院長夫妻と一緒に食事へ。ここでもやはり白酒登場。私はあまりのしんどさに最初からパス。金さんががんばって飲んでいましたが、昨夜も飲み過ぎているためかかなりつらそうな表情、老人ホームに戻るとお休みモードに・・・ 

午後はずっとホーム内で撮影です。入居している親を訪ねて娘が2組やってきました。驚いたのはどちらも親が自分たちと住むよりここの方がいいと言っているとのこと。出稼ぎ先の子どもたちと住むと生活は豊かでしょうが、皆忙しくて老人にあまり関われないのが現状のようで、それよりここで自由にたくさんの友人たちとしゃべったりするほうが楽しいのだと・・・
実際、みんなゲームをしたり音楽を演奏したり、おしゃべりしたりと楽しそうです。
望んで入居している老人たちというのは取材前に考えていたのとは正反対でこれは衝撃的でした。
ただ、やはり病気になる人も多いようで院内の病院の先生は大忙し。注射をしたり、薬を飲ませたり、自分で症状を言えない人やお金がかかるのをいやがって言わない人もいるそうで、そういうお年寄りを発見して手当もしなければなりません。大変そうです。
最後に石院長にインタビューして終了しました。

11月7日

2011年11月7日 by 綱沢 啓芳

山東省が急に寒くなってきました。私が頭痛と原因不明の筋肉痛で苦しむ中、朝から移動です。一路西へ。7月にも訪ねた楽陵の老人ホームへ向けて走ります。今回の運転手はいつものM氏と、その部下のL氏。最初はおとなしかったL氏ですがロケも後半になるにつれテンションが上がり始めました。特に音声の石垣君がお気に入りでやたらと彼の変顔を撮影しています。そしてロバを見つけると運転しながらロバの鳴きまねをしだす始末。(ぜひ聞いていただきたいです)田舎に来るとロバだらけなので、その度に鳴きまねをするL氏。そこで金さんが一言!「バカ丸出しだね」。
楽陵到着後は直接、老人ホームへ。2週間前に会ったばかりの院長夫妻と再会し、明日からの撮影打ち合わせをさせてもらいました。その間もL氏と石垣君、言葉の通じない2人の距離は確実に近づいていました。
 
今回のホテルはここが故郷のM氏が手はしてくれたホテルでこの街で一番とのこと。
確かに部屋の中を見ると田舎町(失礼!)には珍しい奇麗な内装で備品もそこそこ、そして値段も一人170元(2000円ぐらい)と格安でした。
そして夜、ついに来ました白酒。私はあまりにも体調が悪くパスしてビールで。金さん、石垣君、M氏、M氏の親戚たちが白酒。金さんがハイペースで飛ばしています。そしていつものように石垣君に飲ませようとしますが、前回(6〜7月)大失態を演じている石垣君はさすがに大事な明日のロケを控えてややセーブ。そもそもアルコール度数が38度だったので今日は大丈夫そうです(前回は70度)。日本人チームは一足先に退席しました。明日は久々の5時起きですから!