2011年7月3日 のアーカイブ

7月3日

2011年7月3日 日曜日

朝食、青島のホテルに比べるとグレードは落ちますがこのシリーズのロケで泊まったホテルの中では上位ランク、いつものようにホテルでとろうと食堂へ。バイキングなのですがどの料理もほとんどなくなっています。かといって新たに入れにくる気配もなし。別の中国人客が「何もないじゃないか!と抗議していましたが相手にされず。まあ宿泊費も安いからしょうがないか・・・と思ってわずかに残っていたものを食べ、ロビーに降りると金さんが「これ有料だよ」と一言。「ムカ〜ッ!」怒りをこらえながら出発しました。

M氏の車はかなりの重症らしく修理に出すことに。なので彼の友人2人の乗用車に分乗してある老人ホームへと向かいます。M氏の実家がある楽陵はここから100キロ、途中羊の群れに遭遇しました。これまで1章から4章まで必ず画面に登場した「羊」、懐かしい気がして一応撮っておこうと車を降ります。前から、横から、下から撮り続ける増田カメラマンをみて羊飼いのおじさんは、「日本人は羊を見たことがないのか。そんなに珍しいの?」と笑いながら話しています。「飽きるほど見たよっ!」と思ったものの、知らない人がみたら確かにそう見えるかも。

2時間ほど走って、ある老人ホーム(養老院)に到着。院長がM氏の知り合い関係のようですがいきなり撮影すると驚くのでまずは見せてもらって、徐々に撮影を開始しました。
(後で聞くとやはり驚いて政府に連絡していたようですが)
どういうホームなのかとりあえず聞いたところ、子どものいない老人が入居するホームで費用はすべて国が負担するとのこと。ちょっと今回の番組の趣旨とは違うのでここの撮影は早々に切り上げました。

続いて、M氏の奥さんのお兄さん(義理の兄)と合流、彼の友人がやっているという養老院へと向かいました。撮影に関してはかなり警戒している様子ですが、金さんの説得もありどうにかOKに。10年前に建てられたこのホーム、ロビーへいくと多くの老人が集まっていたので何人かに話を聞きました。「ここの生活はどう?」「お子さんは?」など聞きましたが、やはりほぼ全員、子どもは出稼ぎに出ているとのことでした。ただ、ここでの集団生活も結構気に入っているようで、子どもたちが出稼ぎ先に来るよう誘っているのに、拒否してここに入っている人もいました。入居費は自立できる人で月に600元(8000円)、子どもが3人以上いる人が多いので十分に払える金額です。
院長に話をきくとやはり入居希望者がここ数年で急増しているらしく現在80人が定員のところを2000人に拡大する計画だと言います。そんなに一気に拡大しなくても・・・と思うのですが、すでに広大な土地を確保し出資者を募っているところだそうです。中国で一人っ子政策が始まったのが1979年。当時30歳の人が60歳を超え高齢者になってきました。一人の子どもでは働きながら親の面倒を見ることができず、老人ホームの需要が急増しているのです。儒教精神、家族介護が当たり前の中国で明らかな変化が起きていました。
取材対象はここの老人ホームに決め、明日もう一度来ることにしました。

夜はさすがに山東料理も飽きてきたので北京ダックの店で、がんばってくれたM氏と友人たちを囲んで食べました。本日も酒はほどほどです。