シリーズ13億人の深層 第3章
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2009 年 2 月 8 日

ロケハン2日目:意外に都会!西昌という町

早朝の成都空港

早朝の成都空港

朝6時半にホテルを出発、成都空港から四川省南西部、チベットと雲南省に隣接する涼山イ族自治州へと向かいます。その名の通り半数が少数民族イ族という山岳地帯です。あまり聞いたことのない民族だと思われるでしょうが、実は中国では漢族を除くと5番目に多い民族なのです。雲南省、貴州省にも分布していて、50年ほど前までは奴隷制度があったといいます。その涼山州の州都西昌まではおよそ600キロ。飛行機で50分です。ちょうど東京―大阪間を飛んでいるくらいの感覚で、離陸したと思ったらすぐに着陸します。午前9時、西昌に到着。

西昌空港(漢字の左はイ族文字)

西昌空港(漢字の左はイ族文字)

標高は1500mですが思ったほど寒くありませんでした。空港には今回お世話になるJICAの土屋さんと、小林さんが迎えに来てくれていました。お2人を紹介すると・・・

土屋賢治さん・・・
有機米(コシヒカリ)を生産管理する信頼農園に2007年11月、JICA青年海外協力隊の村落開発普及員として派遣。JICAで初めての任務で、貧困地域を経済活動を通して援助から自立へと導くことが目的。具体的には村で作ったコシヒカリを買い上げて一般の市場ルートに乗せ、販路を開拓。利益は民族中学の貧困学生の支援に充てる
小林順子さん・・・仙台出身
2007年12月、JICA青年海外協力隊の日本語教師として派遣。西昌にある涼山民族中学の中日職業訓練クラスで日本語を教える。その一方で、週に一度車で1時間ほど離れた標高3000mの昭覚県大石頭村の小学校に行き、ボランティアで衛生教育などを行っている。
土屋さん(左)と小林さん(右)

土屋さん(左)と小林さん(右)

今回も車はドライバー付きで確保。とりあえず今日は町の雑感を見る予定です。去年出来たばかりという市の中心部にあるホテルにチェックイン。目の前には共産党とイ族の友好を示すという大きな像がありました。さて、このホテル。1泊3000円ぐらいなのですが中がとにかく広い。はっきり言って無駄。でも地方では珍しくきれいな上、お湯が問題なく出ます。去年のホテルと比べると、正直それだけでうれしくなりました。

やたら広いホテルの部屋

やたら広いホテルの部屋

イ族と共産党の友好の像

イ族と共産党の友好の像

早速、土屋さん、小林さんに案内してもらってまずは2人が働く涼山民族中学校へ。
あいにくこの日は学校が休み。進学大学名が書かれた看板があったので見てみると、四川大学や清華大学、中山大学などそうそうたる大学名が・・・。ほとんどの学生が普段は朝6時から夜の12時ごろまで勉強づけなのだそうです。以前、インドのIT専門大学で学生を取材した時、やはり土日も休まず1日18時間ひたすら勉強する姿を見ました。貧困から脱出するには勉強しかないというハングリー精神が日本とは比べ物になりません。日本の未来は大丈夫か??という不安に駆られます。

進学した大学のリスト

進学した大学のリスト

その後西昌の旧市街を見学。イ族の民族衣装を着た人たちが行きかいます。魚、野菜、肉、果物、鶏、何でも売っています。午後は、西昌最大の観光地である邛海(湖)、奴隷博物館(といっても別に奴隷制度時代の様子が分かるわけではありません)、さらに市街地を次々と回ってこの日のロケハンは終了です。

西昌 旧市街

西昌 旧市街

邛海湖

邛海湖

イ族料理。器も民族特有。

イ族料理。器も民族特有。

イ族の踊り

イ族の踊り

夕食はイ族の踊りが見られるレストランに行きました。今回通訳としてもお世話になる民族学校のイケメン日本語教師、李先生も合流しました。(李先生はイ族で、日本に行ったことがないにもかかわらず日本語がペラペラです。)イ族カラーの黄色と赤と黒で彩られた器にイ族料理。トートーロウという豚肉の煮物?が名物です。しかも取材班が最も恐れていた白酒(高粱酒 アルコール度数が40~60度くらいある。詳しくは去年のHPを参照)攻撃がここではなさそうです。おととし(新疆ウイグル自治区)も去年(内モンゴル自治区)も味わったあの苦しみを今年は逃れられそうな、少なくとも毎日のように潰れることはなさそうな気がします。1時間半ほどが過ぎ、ビールだけで宴は終了。明日からいよいよメインのロケ場所のロケハンです。

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