知事のパワハラ疑惑に揺れる兵庫県。内部告発に詳しい専門家は「知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反する」と指摘しました。
斎藤知事のパワハラ疑惑など一連の問題を調査している兵庫県議会の百条委員会。7回目の5日は公益通報者の保護に詳しい専門家が出席しました。「公益通報者の保護」とは不祥事などを告発した人への不利益な扱いを法律で禁じています。ことし3月、元県民局長の内部告発に対し、斎藤知事が記者会見で「嘘八百」などと発言した点について
【上智大学・奥山俊宏教授】
「感情に駆られて県の行政府のトップが公の場で、部下の一個人に対して公開ハラスメントに及ぶことは許れません」
また県側が元・県民局長を懲戒処分とした対応については。
【上智大学・奥山俊宏教授】
「（文書には）公益通報者保護法で保護されるべき公益通報が含まれている可能性があるのなら、知事や副知事は他の内容を区別する必要があった。一部のところをとり真実相当性なし、公益通報に該当せずと判断するのではなく丁寧な判断が必要だったと思われます」と述べ、「知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反する」と指摘しました。
午後からの証人尋問には県の相談を受けた弁護士が出席。告発文書の内容がうわさ話というレベルなら「真実相当性が認められない」としたうえで、公益通報者保護法が禁止する「不利益取扱いの禁止」には該当しないと述べました。
6日は斎藤知事や副知事の証人尋問が行われる予定です。
