2人目の死亡例が報告され、小林製薬が自主回収している紅麹のサプリメントに対し、大阪市は製品の回収を命じる行政処分を出しました。
【大阪市健康局担当者】「 お手元にある場合は絶対に食べないでいただきたい」
大阪市が回収命令を出したのは、すでに小林製薬が自主回収の対象としている3つのサプリメントで、現在までに販売したすべてのものです。
【大阪市健康局担当者】「 健康被害があれば受診して、このものを服用していたと医療機関に伝えて保健所にも届け出してほしい」
大阪工場で製造した、これらのサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症。厚生労働省が26日行った聞き取り調査では2人目の死亡例が報告され、摂取したあとに入院した人は106人にのぼるといいます。この問題に対し27日午後関係省庁も集まりました。
【厚生労働省 健康・生活環境局総務部長】「紅麹使用製品に由来する健康被害が生じていることに鑑み緊密な連携のもとに立体的な対応を行う」
2015年に始まった機能性表示食品の制度開始以来、初の死亡例。健康食品の安全性について研究する専門家は。
【岐阜医療科学大学 宗林さおり教授】「ここまでの健康被害が出るとは想定外。大事件というか大事故」
現時点で健康被害の原因は分かっていませんが、製造工程に原因があった可能性を指摘します。
【岐阜医療科学大学 宗林さおり教授】「発酵過程が入っていて長い時間だったり、温度の変化や雑菌が入ってこないかなど、いろいろな要素で品質管理は難しいと思う。別のカビや細菌類が(製造過程で)入って何かが産生されたとい考えるのが一般的だと思う。原因物質を特定してみないと何が混じったのかは分からない。ごくわずかだが人為的に何かを入れたということ(可能性)も排除はできないと思う」
小林製薬は4月1日に予定していた入社式を取りやめると発表。株価は問題発覚前に比べおよそ2割下落していて、28日開かれる株主総会で経営陣は説明にあたると見られます。