神戸市の病院に勤務していた医師が過労を理由に自殺したのは長時間労働が原因だとして遺族が病院側の責任を問う訴えを起こしました。
【自殺した高島晨伍さんの母親】「晨伍は甲南医療センターで働いていなければ、まだ私たち家族といっしょに時間を過ごし、立派な消化器内科医を目指す晨伍を応援していくことができました」
神戸市の『甲南医療センター』に勤めていた医師・高島晨伍さんは2022年4月から消化器内科で働いていましたが、ひと月後、自宅で自殺しているのが見つかりました。高島さんが亡くなる直前の1ヵ月間は時間外労働が207時間にのぼり、休みのない勤務が100日以上続いていたことから、労働基準監督署は「極度の長時間労働が自殺につながった」と労災と認定。さらに他の医師についても。
【原告代理人弁護士】「直近1か月を分析したところ、他の方もそれに匹敵するくらい専攻医は長時間労働している」
こうした状況から高島さんの遺族は2日、「病院は医師の勤務時間を適切に把握することを怠り、長時間労働を是正する体制を作らなかった」として、病院の運営法人と院長に対し、およそ2億3400万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしました。
【自殺した高島晨伍さんの母親】「まずは晨伍の死を遺族と共に振り返り、反省をしてほしい。甲南医療センターは労務管理をあらためてほしい。そして晨伍に誓って二度と同じことが起こらないようにしてほしい」
甲南医療センター側は「この件に関しては重く受け止めている。まだ訴状が届いていないのでコメントはいたしかねる」とコメントしています。
