立体地図と衛星写真から見えてきた深刻な被害…能登半島地震

今回の地震、衛星写真の分析から被害の深刻さと復興の難しさが見えてきました。

【渡邉教授】「いま見て頂いているのは珠洲市の南『鵜飼漁港』。この周辺が一番津波の被害が大きくて100メートル以上奥まで水が入ってきて、さまざまな物が打ち上げられている」
東京大学大学院の渡邉英徳教授は民間企業と共同で、衛星写真をもとに被害の様子を分析しました。こちらは珠洲市にある港です。
【渡邉教授】「本来は船がここに入って停泊する。引き上げている船も見える。そういう意味ではちょっとおかしい。こんな狭いところ通れない。もともと水面の下にあった岩が大きく隆起してきて、船の通路をふさいでしまっている」

多くの港が被害を受けたことが確認できます。
【渡邉教授】「長橋漁港、これが被災前の状況です。切り替えてみると、状況の変化がよくわかる。こんな風に盛り上がってしまって、まったくこの港は使えない。生活の糧がなくなった。再び漁業を営むにはせり出した場所にもう1回防波堤を作らないといけないが、こういう集落が今後どのように復興していけばいいのか、非常に難しい問題」

孤立集落も多くみられます。その原因は主要な道路が寸断されたためです。
【渡邉教授】「山そのものがゴソっと崩れ落ちて、流れ込んでいる、県道278号線に。横から見ると樹木も混じってると思うが押し潰すような形になってしまっている」

さらに輪島市と珠洲市を結ぶ県道40号線は道が跡形もありません。赤く表示されたところは山が崩落した箇所です。
【渡邉教授】「ここも塞がれてしまっているんですが、取り除いたところで上の斜面がことごとく崩れているので、いつ落ちてくるかわからない。つまり道が復旧したとしても危なくてなかなか通行できない」

また、山岳地帯では土砂が谷底に溜まりそこに雨や雪が降ると、さらなる被害を生む可能性があると指摘します。
【渡邉教授】「天然のダムになってしまう。人間が作ったダムではないので決壊する恐れがある」

こうした山の麓には家屋が建っている場所も数多くあります。
【渡邉教授】「水がせき止められているだけなので、余震など何かのきっかけで一気に流れ込む、ここ危ない。奥の方から水がぶわーっと出てくると、この集落が被害を受けてしまう恐れがある」
「そうした箇所が散見される。斜面沿いにみなさん住んでいるから鉄砲水のような形で水が流れ込んでくると家がすべて流れ去ってしまう」

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