南海トラフ地震との関係・阪神大震災との共通点は? 能登半島地震のメカニズム

甚大な被害が出た能登半島地震。どのようにして地震は起きたのでしょうか。地震のメカニズムなどを研究する京都大学防災研究所の西村卓也教授は今回の地震をこのように言い表します。

【京都大学防災研究所 西村卓也教授】「日本海側で起きる地震としては今回の地震が最大級に近い地震、本当にそれが現実として起こるのは非常にショッキング」
今回の地震の揺れが大規模で広範囲となったのは、能登半島の北側から延びる長さ150キロの巨大な断層が動いたとみられています。能登半島の周辺では直近3年の間、活断層の動きが活発化していました。

【西村教授】「活断層が長ければ長いほど大きな地震を起こす力がある。エネルギーを貯めていた断層のすぐそばで3年前から群発地震が起き始めた。この群発地震がどうして起こったか調べると、地下から水のような『流体』と言っているものが、深いところから浅い所にあがってきたため地震を起こしたのではないかと考えている」

『流体』とは海のプレートが地下に潜り込むときに一緒に潜り込んだ海水など、その実態は水。『流体』が温度や圧力の変化で上昇し、断層の間に入り込むことで滑りやすくなり、地震を引き起こすそうです。

【西村卓也教授】「能登の場合は3年前から地面が7センチくらい隆起していることも観測されていて、それは『流体』が上がってきて地下を押し上げるよう力が働いたため地殻変動も観測されたと思っている。その影響(流体による地震)が長い活断層に飛び火して、今回これだけ大きな地震になってしまったんじゃないかと」
「関西でも地下に『流体』があるんじゃないかと考えられている場所はいくつかあるし、『流体』の近くに活断層がある例も複数知られているので、能登と同じようなことが関西で起こってもおかしくないのでは」

今回の地震、関西で起きた過去の地震とも共通点があります。
【西村教授】「陸のプレートの中で起こったというのと浅い地震、という意味で阪神淡路大震(兵庫県南部地震)とは共通点がある」

今後起こるとされている南海トラフとの関連については。
【西村教授】「南海トラフからはかなり距離が離れていること、関西地方との断層などとも2、300キロ離れているので直接今回の地震が何か周りの地震を誘発するという効果はあまり考えられないじゃないかと思う」
一方で。
【西村教授】「南海トラフの地震と関西にある断層の間にはお互い影響を与えることが知られている。特に南海トラフ地震の50年くらい前から内陸の地震活動が活発化する、関西や中部地方の断層が動きやすくなることは知られている。関西でも能登と同じような、それに近い兵庫県南部地震のようなタイプの地震が今後起こりうるということは今後十分警戒しておかないといけない」

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