北新地放火殺人事件から2年 夫を亡くした女性の癒えぬ悲しみ、院長の兄を亡くした女性の現在は

大阪・北新地のクリニック放火殺人事件からまもなく2年です。夫を亡くした妻、兄を亡くした妹、それぞれが伝えたい思いとは。

【事件で夫を亡くした女性】「現在の心境はもう2年、まだ2年というところです。(こどもも)この2年で言葉も巧みになり、私が知らない、自分とお父さんとの思い出話を聞かせてくれるようになりました。そんな子どもの成長に、もう2年も経つのかと時の流れを感じつつ、この成長を一緒に見られなかった寂しさや悲しさに襲われます」

2021年大阪・北新地の心療内科クリニックが放火され、医師や患者ら26人が犠牲となりました。火を放った谷本盛雄容疑者も死亡しています。夫を亡くした女性は12日会見し、遺族が直面した現実を語りました。

【事件で夫を亡くした女性】「遺体の搬送費用や死体検案書の発行費用など経済的な負担を被害者遺族が負担させられることにすら疑問を持つ余裕がなかったが、今振り返るとおかしすぎるなと」

容疑者が死亡し損害賠償を求める裁判も起こせない中、遺族らが頼るのが国からの「犯罪被害者等給付金」です。給付額はおよそ2900万円から最低で320万円と幅があり、額の算定は当時の収入で決まります。

【事件で夫を亡くした女性】「わたしの夫は被害当時職を離れて復職するためのリワークプログラムに通っている最中で犠牲になった。(給付金申請の)窓口で「無職」とひとくくりにされ強い憤りを感じた。本来あるべき犯罪被害者・遺族への支援のかたちはその場しのぎではなく、多岐・長期にわたりどんなことに困っていたのかを丁寧に聞いたうえで、制度・運用のあり方を今一度考えてもらわないと」
女性はいま、犯罪被害者や遺族らと作る団体と共に声を上げ、制度の見直しや国に経済的支援の拡充を求めています。一方。

【元患者】「雰囲気とお顔が西澤先生に似ていて、診てもらっていたのと同じような表情してくださるので心が和みます」
【西澤院長の妹 伸子さん】「私も似てるなと、兄に。写真とか」事件で犠牲となった西澤弘太郎院長の妹、伸子さんです。クリニックに通っていた元患者らの心の支えになろうと、いまも交流を続けています。
【元患者】「いまでも西梅田のクリニックの診察券を毎日持っていて、今もお守りです」
【伸子さん】「嬉しいです」
【元患者】「心の支えですので、今も大好きな先生、すごい救われたので、西澤先生のクリニックに通えて恵まれていると思ってます」

それぞれの思い。17日で事件から2年となります。

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