ホテルの一階に入っているのはお寺？「みってらさん」の愛称で知られる寺院「三津寺」です。11月、寺と一体化したホテル「カンデオホテルズ大阪心斎橋」が開業します。
三津寺は、第2次世界大戦の戦火を免れた江戸時代の木造建築で、本堂は1808年に作られたものです。建物をそのままの姿で傷つけずに移動する技術、「曳家工事」で敷地内の本堂の位置を変え、寺を新築ビルの低層部に取り込みました。僧侶の住まいなどに使われる「庫裏」も新しく建て替えられました。
【記者】「本堂の前に広がっているのは御堂筋。本堂の屋根を目線と同じ高さで見ることができます。本堂とこちらの建物、触れ合うか触れ合わないかぎりぎりのところまで緻密に設計されているということです」
【三津寺 加賀俊裕 副住職】「瓦の細工が見えたり個人的に私が好きな場所となっています」
文化庁の統計によりますと、国内では、この10年で寺院の数は700減りました。三津寺の本堂は改修などの維持費用の確保が課題となっていて、不動産デベロッパーとおよそ50年の契約を結び、ホテル側に土地を貸すことで費用を捻出する狙いです。茶の間や親子で過ごせる空間も新しく作り、今後は、仏画を描くなど仏教の世界を感じられるワークショップなどを開く予定だということです。
【三津寺 加賀俊裕 副住職】「200年前の本堂が大きな城郭に守られたような感じがします。参拝者も雨も気にせず参拝することができますし、お堂自体も雨風に晒されることないので長く維持できると思う」
