キャベツを傷めず…美味しく自動収穫?スゴイぞ!無人機 最前線

キャベツを傷めず…美味しく自動収穫?スゴイぞ!無人機 最前線

https://youtu.be/gJZY_RPfJTw

十勝の鹿追町。十勝平野の北西部に位置し、酪農と畑作が盛んです。 広大なこちらの畑。ノズルから出ているのは、農薬。運転席を見ると…なんと、人が乗っていません!

農業機械の自動化の実証実験です。

【帯広畜産大学 佐藤 禎稔名誉教授】

「作物に合わせて一定量(の農薬を)まかなきゃいけないので、 例えばスピードが変われば(噴霧量を)調節しなきゃいけない。こういうことができるのは多分このスプレーヤ(散布機)しか世界的に見てもこれしかないと思います」

 

行っているのは、農業機械大手のヤンマーや大学などでつくるコンソーシアム。目標はキャベツ生産の自動化。農家の人手不足が続く中、土をつくるところから収穫まで、全ての工程を自動化するのが、今回の狙いです。

 

最も難しく、最後のハードルとなったのが…“収穫”!

 

手作業の場合、15アールの収穫に、5~6人で1日中かかり、人手も時間も必要です。およそ10年前にヤンマーなどが収穫機械を開発し、作業時間は半分に減りました。しかし…

【ヤンマーアグリ開発統括部 村山 昌章さん】

「見えますか?キャベツの茎がある高さわずか数十ミリのところに機械に取り込むところ

(部品)を正確に当てなきゃいけないところが非常に難しい」

 

キャベツの茎は葉っぱで隠れていて、運転席からは見えません。キャベツ本体を傷つけてしまうと売り物にならず、操縦の技術を習得するには数年かかると言います。人手不足の中、熟練者を収穫の時期に確保するのは簡単ではありません。人間でも難しいキャベツの収穫を、どのように自動化するのかというと…

 

機械の上と横に、2台のカメラが!横のカメラはキャベツの高さや機械との距離を、上のカメラはキャベツの左右のズレを見ています。これらの映像から、AIが茎の位置を推測し、操縦しているのです!AIに画像を大量に覚えこませるやり方自体は多くのAI技術と同じ。

ただ、時間帯や天候によって光の加減が変わるとキャベツを認識できなくなるなど、特有の課題もあります。

 

【東京大学大学院 情報理工学系研究科深尾 隆則教授】

「ある時気づいたのが、下側は結構日陰になっているのであまり(日照条件による)変化が少ない」「下の半分だけを教える方が実は結構間違いにくい」

 

AIに覚え込ませる情報を、日が当たらず画像が安定しているキャベツの下半分に絞り込むことで精度を高めたのです!さらに…

土づくりから苗の植えつけ、収穫まで、機械の走行ルートを共通化。うねの中心にキャベツをきれいに揃えて植えることで、収穫の難易度を最小限に。熟練の操縦士と変わらないスピードで自動運転できるようになりました。

 

一連の技術は白菜やブロッコリーなどにも応用できる見込みです。農業向けの自動操舵システムはここ数年で出荷台数が急増しています。

 

その7割が、広大な土地があり1人当たりの栽培面積が広い北海道向け。

ヤンマーは、北海道を自動化技術のモデルとし、段階的に全国へと広げる考えです。

 

【日本経済新聞社札幌支社 塚田 源記者】

「米などに加えキャベツなどの野菜の収穫でも自動化が進めば、人手不足問題の解決につながる可能性があります。一方でスマート農機は導入コストが高いのが現状です。農機の他の作物への転用や農機のシェアリングなどコスト軽減への工夫も必要です」

 

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