観光需要が回復するなか、人手不足はますます深刻化しています。大阪の人気テーマパークや周辺のホテルはあの手この手の対策を打ち出しています。
【記者】「大阪を代表するテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン。実は2023年初めて、大阪府外に会場を設けアルバイトを募集しています」
これまで、アトラクションやレストランなどで働く「クルー」と呼ばれるスタッフを、関西圏で採用してきたUSJ。人手不足に対応しようと、2023年6月から愛媛や岡山など、全国5つの都市でクルーの選考会を始めました。最大の特徴はその手厚い待遇。入社が決まれば祝い金10万円を支給。さらに、引っ越し代や敷金・礼金・家賃の補助を出すほか、仕事ぶり次第では正社員登用を行い離職を防ぎます。
【宮崎からの旅行者】(全国から募集しているのは知ってました?)「知らなかったです。ちょっと興味あります」「就職試験でこっちに来ているんですよ宮崎から。知ってたらこっちも試験受けれたのに」
一方、人出不足に悩むのはUSJの周辺にあるホテルも。
【ホテル ユニバーサル ポート総支配人】「非常に厳しいですね。コロナの影響でこの業界から離れてしまった人、サービス業自体への志望者も減少している状況」
そこで進めているのが「省力化」。人の手がかかる作業を減らす取り組みです。
【記者】「チェックイン前のお客さんの荷物は、スタッフがお部屋まで運んでいましたがコインロッカーを従来の2倍以上に増やし、自分でも荷物を運べるようになりました」
また10月からは自動チェックイン機を稼働させ、必要な人員の数をさらに減らす計画。こうした「省力化」の取り組みには実はキーパーソンがいます。
朝7時からホテル内のレストランで客の誘導や席の片付けなどを行い、朝食のピークが過ぎるとバックヤードへ。
【マルチタスク課スタッフ】「着替え終わってフロントの方に出勤します」
「私はマルチタスク課に所属していて、部署の垣根を変えて料飲の業務も宿泊の業務も1日の中で執り行っております」
レストランに続いて、今度はフロントで業務を始めたのです。
佐野さんが所属するマルチタスク課は2022年できた新しい部署。ホテル内のさまざまなサービスに部署を横断して助け合うことで、ピーク時に必要な人数を減らす狙いです。現在、マルチタスク課にはおよそ20人が所属していて、すでに手応えもあるといいます。
【ホテル ユニバーサル ポート総支配人】「非常に大きな効果が出ている。2~3名の欠員の解消に役立っている」「(今後の対応として)外国人採用。ホテルでも20名弱外国人のクルーが勤務しているですけれども継続して取り組んでいきたい」