【子どものために仕事がしたい!】障害がある母親が奮闘するカフェ

【子どものために仕事がしたい!】障害がある母親が奮闘するカフェ

https://youtu.be/TnhXyU48hUY

【店員さん】
「いらっしゃいませー」

緑橋の駅前にちいさなカフェがあります。

【店員さん】
「お待たせしました。唐揚げ定食です」

人気メニューのひとつが手仕込みの揚げたて唐揚げランチ。うわさを聞きつけやってくるお客さんは
席に着くと、異変に気付くといいます。

【客】
「いや、違和感ありましたね」
「ずっと不思議やなって思ってて…」
いったいどこに違和感を感じたのでしょう?

わかりますか? では少し角度を変えて…どうでしょう。
【客】
「店員さんが無茶苦茶多い。生産性取れるのかなって」
「お弁当とか販売しているからかと思ってました」

この規模の飲食店ならランチ時でも2~3人で回すところもありますが、、、
このお店は…6人!倍近い数です。これはお昼時だけではありません。一日中 何人もの人が立つキッチン。ここはある人々にとって特別な場所なのです。

【従業員】
「おはようございますー」
「お休みの方もいるので手が空いた方でフォローしていきましょう」
「了解です」「お願いしまーす」
「トイレ掃除いってきます」

カフェの朝は掃除から。9時30分、お店の営業が始まります。
弁当やランチの準備のため、ほぼ全員がキッチンに集まります。
しかし、どうしてこんなに人が多いのでしょうか??

【利用者】
「もともと生まれつき心臓が弱くて/働けなくてずっと家におるのが長くてここを(友人に)紹介してもらっていくって言って」

【利用者】
「知的障がいです。(ここに来られたきっかけは)もともとカフェに憧れがあってハローワークで見つけてくださって見学した時におしゃれだし、一目ぼれしてしまって」

実はこのカフェ、障害がある人たちの就労支援の場なのです。。就労支援とは、障がいがある人が一般企業で働けるよう、スキルなどを習得するための福祉サービスです。このお店はそのために作られたカフェ、去年にオープンしました。

【藤淵陽介代表】
「僕らのこの福祉サービスってどうしても行政の力をなくしてできないところがあって。それは活動資金としていただいていますのでできるだその活動費を脱却じゃないですが、公費にばっかり頼らず自分たちでやれることをやっていこうということで、一番収入を得れるものは何かなと思ったときに飲食の商売かなと。僕たちの活動をより一人でも地域の人に見てもらう、知ってもらうために、人がたくさん集まるカフェしかないなと」

この事業所では1日4時間、週5日の勤務「就労支援」は福祉サービスのひとつですが、スタッフとは雇用契約も交わしています。障がいのある人は自分に向いた作業や取り組みたい作業に自主的に取り組み、障がいのないパートや職員が一緒に働き支えます。

【利用者】
「やばいやばい、緊張しすぎて(笑)」
【パート】「きょうは唐揚げが少し大きすぎたねー」

【利用者】「そうですね…」
【パート】「大丈夫です!」

【藤淵陽介代表】
「(就労支援は)一般就労のためのステップの場であってほしい。一般に行くと1年・2年・3年となると自給も上がるし金銭的な豊さ、人とのつながりの豊かさ、とにかく豊かさを増すためにも僕たちがきっかけを作ってステップアップで就労してもらいたい。」この日、従業員の山口さんが店先に出す看板製作を任されました。

【山口侑沙さん】
「クリスマスツリーにしか(見えん)笑うしかあらへん」

「私ことしで40になるのに、40の絵に見えない…6歳ぐらいや」

絵は少し苦手?
明るく気さくな山口さんはこのカフェの開店当初から働いています。

【山口侑沙さん】
「エクセルとかワードができたら一番いいかな。高校生の時やったから、パソコン関係は将来役に立つから」

知的障害がある山口さんは子を持つ母親。息子のはると君の存在は山口さんが就労を目指す最大の理由でもあります。
【山口さんの息子】
お母さんやさしい?「優しいけど」
どんなところ優しい?「笑ったり」

はると君には知的障害があります。我が子の障がいがわかったことで自身についても調べたところ、
知的障がいとの診断。

【山口さん】
「人間関係で悩んでて、仕事も続かなかった。検査して『やっぱりそう(知的障がい)やったんやな』と。(仕事は)1年続いたのが稀ちゃうかな?でも結婚して(子どもを)保育園とか通わすのに働かないといけない。そう思うと続いた。独身の時の方が続かなかった」

人とうまく付き合うのが苦手な山口さん。これまでの職場はあまり長続きしませんでした。

【山口さん】
「ずっとこのままがいいと思ってしまったりするけど、やっぱり将来、年金のどうしようとか、貯金も全然たまらないし。フルタイムならちょっとぐらい余るけど」
労働によって収入を得るためのスキルを身につけ

障がいのある人々の働く意欲・世に出ようとする強い意志を後押しする就労支援。このカフェにはもうひとつ大切な狙いがあるといいます。

【藤淵陽介さん】
「国から(健常者の職員を)これだけ入れてというのがあるが、僕の場合はたくさんのパートさんが障がいのある方たちと出会うことで障がいのある方たちの人の豊かさというところにつながってほしい、そういう形でパートさんを多く来てもらっている。いつでも彼ら彼女らが主役でいて僕たちが黒子に徹することでここをステップに次の場所に行けるのではないか」

【山口さん】
「ステップアップとして頑張っていきたい、免許を持っていないから何か一つでも取得したい」
障がいのある人も健常者も交わり合う「人が多いキッチン」。
福祉が目指す形、そのものなのかもしれません。

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