https://youtu.be/cP_IH3GSgBg
保育園で元気いっぱい鬼ごっこする子どもたち。
よく見ると…ズボンに何か付いている?
「園児が付けているこちらの装置を僕が実際に付けて、園の外に出てみます」
保育園から離れていくと…(アラーム音が)
「保育園の外に出ていってしまった子(記者)がいたので、アラームが鳴りました。保育園を出て、角を曲がったところにいます」
実はこれ、子どもたちの位置が一目でわかるアプリ「Hikids(ハイキッズ)」。端末を付けた子どもが、登録した場所から離れると、アラームで知らせてくれます。秋の販売に向けて実証実験中です。
「どうしても(保育士)1人で、(園児)30人とか、20人とかみないといけない。保育士の目で補えない部分を、そういった機械的なもので補完できたらいいかな」
このアプリを開発したのは名古屋市のウェブ制作会社、余白文化。社長は中国人の盧朝華(ロ チョウカ)さん。高校卒業後、来日して名古屋のコンピューター専門学校で学び、2016年に起業。これまで主に幼稚園や保育園のホームページを制作してきました。
「保育現場で問題とか課題とか(あるのか聞くと)、そこで初めて『置き去り』という言葉を教えていただきましたのです」
相次いだバスでの園児置き去り事故。加えてヒアリングの結果、園からの脱走や園外保育での迷子が起きていることが分かりました。
「置き去り事故ゼロになるような社会にしていきたいなと思っております」
このアプリの最大な特徴は、複数の子どもの位置情報を一挙に表示できること。一見簡単そうですが、実は非常に難しい技術。位置情報アプリは、GPSや街のWi-Fi(ワイファイ)の位置データを得ていますが、対象の数が多いとデータが膨大になって、スムーズに表示できなくなったり、アプリが止まったりするんです。どうやって克服したのかーオフィスを覗くと…
聞こえてきたのは中国語!?実は余白文化、中国・北京に元マイクロソフトのシステムエンジニアも在籍するコンピュータープログラムの開発拠点が。
「(日本語訳)牧場の牛の管理システムを開発したことがあって」
え!?牛!?中国の放牧は広い場所で行われることが多く、沢山の牛の位置を把握するシステムへのニーズがあったといいます。
この技術を「Hikids(ハイキッズ)」に応用。膨大な位置データから必要なものだけを抜き出すようプログラムを強化し、データの軽量化を図ったのです。新機能の開発にも取り組んでいました。腕時計型の端末を身につけた記者が走り出すと…
「(心拍数が)129まで上がりました」
心拍数を測る機能です。一定時間、設定数値より心拍数が高かったり低かったりした場合、アプリに警告を発します。
「(子どもは)午睡(昼寝)の中で突然死になることが今まであった。子どもの体調をいち早く把握することができれば、(先生たちが)早めに何か対策ができるかな。複数の位置情報を表示できるアプリは保育現場だけでなく、高齢者が集まる老人ホームやペット業界でも需要があると思います。それぞれに合った体調を測る機能もプラスされれば、ビジネスチャンスとして広がっていくのではないでしょうか」