破産の「ONKYO」 音のプロ集団が作る、激ウマ日本酒とはー

破産の「ONKYO」 音のプロ集団が作る、激ウマ日本酒とはー

大阪市にあるオンキヨーの本社です。現在およそ50人の社員が働いています。オンキヨーは、1946年に現在のパナソニックのスピーカー製造の工場長が独立してできた会社。繊細でクリアな音を奏でるスピーカーが人気となり、人気ブランドになりました。昔の製品で音楽を聞かせてもらいました。

しかし、携帯音楽機器の普及でステレオ機器の市場は縮小。売上も減少し、祖業のオーディオ事業を売却しましたが、オンキヨーの親会社は債務超過に陥り、去年自己破産となりました。そして開発部門とマーケティング部門が独立して、今のオンキヨーとして生き残ったのです。

そのオンキヨーで最も実用化が進んでいるのが、音楽の振動をタンクなどの設備に伝える技術です。「加振器」という装置を使います。加振器をつけたスピーカーで音楽を流してみると…

「あー聞こえる つまり音で振動ができている証拠」

試しに水の入った加振器をつけたタンクを見せてもらうと、このように振動しています。この技術を生かして作られているものが、日本酒。交野市にある山野酒造。タンクの下には加振器が取り付けられています。

実際に日本酒を発酵させている時の様子です。30日間ずっとモーツァルトを聴かせたそうですが、もろみの発酵が促される作用があるんだそうです。今では、この加振器を使った日本酒やワインを商品化する会社が全国で20ヶ所を超えたそうで、今後は様々な音楽の組み合わせを研究していくそうです。

 

オンキョーは他にもいろんな技術が…ひとつはデジタルの聴診器です。この機械を通して心臓の音を録音できるんだそうです。通常と違う音だった場合、注意を促すA Iのアルゴリズムを開発中で、将来はオンライン診療に役立てる計画です。またサントリーが開発した腸活アプリにも音の技術を提供するなど、活躍の場所が広がっています。また植物の成長を促す実験を行っていたり、橋などの劣化を調べる技術、コールセンター向けの音声といった幅広い分野の事業を手がけています。かつては人々を、見えない音で感動させた技術が、暮らしや人々の健康分野へ。今後もその技術に注目です。

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