カッターナイフでも切れない!スゴイ軍手の実力

カッターナイフでも切れない!スゴイ軍手の実力

https://youtu.be/s7n0_ybDT_c

大阪・八尾市の美容室。中庭がすてきですね。オーナーの西田さんは、植木の手入れも自分でしますが、その時に必ず使うのが、この軍手です。
「私美容師なので手は絶対、仕事柄ケガできない。こういうハサミからも守ってくれたり(軍手が)切れないらしいです。えっすごいみたいな。」

お気に入りが、2000円を越えるストロングンテです。普通の軍手だと、カッターナイフで簡単に切れてしまいますが、ストロングンテは、カッターナイフでも切れず、手をしっかりと守ってくれます。
「この手袋はおすすめです。」
開発したのが、パナソニックのグループ会社。一体どんな手袋なのですか?
「この手袋はタングステンを編み込んだものなんです。」

タングステンは、重い石を意味する金属で、熱に強く、ダイヤモンドに次ぐ硬さが特徴です。これを金属繊維にして織り込み、刃物でも切れない軍手をつくりました。実はこれ、パナソニックの技術が詰まっています。
「白熱電球のフィラメントの技術を応用して開発したものです。」

1936年に白熱電球を発売したパナソニック。フィラメント部分に使っていたのがタングステンです。

「フィラメントに使っているというのは(タングステンが)熱に強いところ。それを実現するために、細くて強い結晶をつくるというのがモノづくりの技術。」
まずタングステンの粉末を焼き固めてインゴット、塊にします。これを髪の毛よりも細い、極細線にするのが独自の技術です。どうやって、金属の塊を細長くするのか見せてもらいます。タングステンの塊を1700°Cで加熱します。真っ赤になったタングステンを取り出し、装置にセット。穴の中では、熱した塊を叩いて、細長くする鍛造加工がおこなわれています。
「穴の中にダイス(丸い金型)があって、回転しながら叩いて細くしていく。一度にどれだけ細くするか、いかに均一に打つか、ここらへんが大事になってきますね。6回から7回くらい繰り返して順番に細くしていきます。」

鍛造(たんぞう)を繰り返すことで、タングステンは、刃物を作るのと同じ原理で硬く、そして細くなっていきます。タングステンがワイヤー状まで細くなったら、
次なる工程、太線(ふとせん)引(び)き加工にかけられます。
「ここは1.5ミリを1.2〜1ミリぐらいまで細くする工程になります。ダイスという工具を使いまして、入り口が広くなっていて、出口が狭い。圧縮しながら引き伸ばしていく。」

直径1.5ミリ、ワイヤー状のタングステンをセットしました。次にワイヤーを熱してから、丸い工具・ダイスに通します。そして、機械で巻き取っていきます。すると、直径1.5ミリだったワイヤーが、1ミリになるというわけです。さらに、髪の毛よりも細い線にするのが、こちらの装置。7つのダイスの中に、糸状のタングステンを、奥から順番に通すことで、徐々に目に見えないほどの線になっていきます。目に見えないくらいに、細い線を扱う作業は、まるでパントマイムです。
「何をされているんですか?」
「これはワイヤーが真っすぐなっているかの確認。」
「真っすぐになっているか目で確認?」
「目視になります。下のバケツの黒色で確認している。」

黒いバケツの上なら、自分の目で線の状態を見極められるということですが、これは、わかりづらいですよね。
「真っ直ぐになっていない場合は、ダイスを回転させます。最終ダイスを回転させて、位置のいいところで(巻き取りを)スタートさせます。」

こうして髪の毛の8分の1という極細線は作られます。より合わせた極細線で強度のテストです。なんと2リットルのペットボトルが5本、10キロを持ち上げました。

タングステンを細く強い糸にすることで、しなやかさも兼ね備えた最強の軍手が完成しました。一度使ったら、もう手放せないそうです。

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