狙いは街の活性化とアーティストの支援 大阪市内で増える「ウォールアート」

狙いは街の活性化とアーティストの支援 大阪市内で増える「ウォールアート」

こちらにいろんな絵画がありますが。実はこれらは壁画なんです。大阪市内でいま増えているんですが、そのワケを探しに行ってきました
スプレーで描いているのは、とある都市の夜の風景だといいます。これは落書きではありません。ウォールアート、その名の通り壁の絵画、つまり壁画です。大阪・此花区の街角を彩っています。
【地元住民】「何もなかった場所に絵が登場しているので、面白い街感がでていると思う」
【地元住民】「壁画巡りじゃないけど、見てくるわみたいな声はちらほら聞く」

実は、ウォールアートは大阪市内に広がっています。ここは西成区。

【松村教授】「赤色が見えると思うんですけど、『WET PAINT』という文字が地面に半分沈みこんでいるという。西成の地に根を張りたいという形でこの作品を書いてもらった」説明してくれたのは、阪南大学の松村嘉久教授。国内外のウォールアートを研究しています。
【松村教授】「殺風景な壁や落書きされている壁よりも、アートを描くと見に来る人がいるし、人が集まるというのは、いろんな意味で社会的な注目も浴びる」

ウォールアートで賑わいを取り戻したのが住之江区の北加賀谷地区。
2009年に「北加賀谷クリエイティブ・ビレッジ構想」を立ち上げ「アートな街」をPRしています。
【大学生】「ウォールアートを見に北加賀谷にきた」
【お店の人】「マップ持ってきている人が毎週末きている」
シャッターに大きく描かれたアルファベットに…壁に絵を描く黒猫。街のいたるところにウォールアート。さながら街の美術館、といったところでしょうか。いまや、ウォールアートは街中だけでありません。ここは…駅改札前。植物をモチーフにした作品が目を引きます。

【近鉄担当者】「毎日利用するものだから楽しいとか、そこにいったら優しい気持ちになれるとか、そういうものにしていきたいなと思ってずっと考えていた。近鉄・針中野駅。長居公園周辺には他の私鉄やJRの駅が多いため、近鉄はウォールアートによって駅の利用者をこの駅に呼び込みたい狙いです。
【近鉄担当者】「駅の雰囲気がそのまま続いているような感じにしてもらって、すごいいい感じになったなと」「このアートを見にわざわざこの駅に来るとか、街に住んでるけど、普段駅を利用しない人が絵を見にくるとか、そういう地域全体に広がるような効果もあればいいと思っている」

実はこのウォールアート。近鉄が作家に依頼したわけではありません。近鉄担当者と話す、川添孝信さん。川添さんは壁画ビジネスを手掛ける「ウォールシェア」という会社の代表。企業と作家の仲介役を担っているのです。その仕組みはこう。ウォールアートで広告を出したい企業、画を書いてくれる作家、キャンバスとしての壁。これら3つを川添さんの会社がつなぎます。企業から広告費をもらい、作家と壁の所有者に配分します。作家にとって壁は大きなキャンバスです。

【作家】「作家としては達成感、やりがいという意味では大きな壁画をかけるのは、自分にとってはこの上ない喜び。描いたものがその場に残ってだれでも見れるのはすごいありがたいこと」

現在、関西ではおよそ30の企業が「ウォールシェア」を利用し、認知度は広がっていきそうです。この日、川添さんはある場所で壁探し。

【川添代表】「キャンバスになりそうな壁を街を見ながら探す」「こういう壁とか。壁にもいい壁の定義が自分たちにはあって、おっきくて窓が少ない壁」

ここは此花区なんですがある狙いが…
【川添代表】「万博で会場も盛り上がりながら、同じ此花区内でこういった壁画が多数あふれるエリアがもしあれば、面白いかなと思う」

世界中から観光客が集まる2025年の万博。作品を多くの観光客に見てもらえる可能性があります。既にエリア内には、国内外のアーティストによる7つの作品が登場。2025年までに30作品、完成させる予定です

【川添代表】「美術館に行くとか、絵を買うというのではなくて、街そのものに絵があって、子供から大人まで、アートに触れるきっかけというのが、身近になればとおもっている」

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