https://youtu.be/qwYky03vtz8
大阪でフリースクールに通う子どもたちが演出した花火が夜空を彩りました。自分たちの心の変化を花火の形や色、音楽で表現。伝えたかった思いとは？
5月13日。りんくう公園のビーチで花火大会が開催されました。そのうちおよそ３分にわたる花火の演出を担当したのはフリースクールに通う子どもたちです。ここは泉佐野市に2021年11月にオープンしたフリースクール「キリンのとびら」。
【水取代表】「 元々子ども食堂を２０１８年からやっていたが、子どもたちと関わる中で不登校のになっていく子どもたちも一定数いて、不登校の子どもたちが学べる、過ごせる施設が地域に必要だと思って立ち上げた」
小・中学校の不登校児童の数は９年連続で増え続けおよそ２５万人と過去最多となっています。ここには小中学生およそ１５人が通っています。午前中はそれぞれのペースで勉強午後は遊びを通じて交流を深めます。
【フリースクールに通う子ども】「家族とかかわっているようなすごい安心する場所です」「 自分にとっては救いの場。ここに来なかったら今頃まだ引きこもりでゲームしてたんだろうなっていうぐらい。」
4月。4年ぶりに開かれる地元の花火大会でこどもたちが花火の演出をすることに。東京から花火師も駆けつけ花火の勉強。監督・脚本、音楽と担当を決めます。
「なつみが監督でなつみの言うことは絶対！」ムードメーカーのなつみさんが監督に。1年年上のマユさんとれんさんが脇を固めます。男子は曲選びを担当。
【なつみさん】「 昔の人は学校行かないとかフリースクールは考えられないと思う
【マユさん】「 自分らがここにきてパワーをもらったからみんなにも知ってほしい」
何日もかけてどんな花火にしたいか何を伝えたいか話し合いました。
【れんさん】「 みんな、ここ最初に来た時緊張してたやん。でも今はみんな元気になって、めっちゃ笑ってくれてて…みんなが主人公」
花火のコンセプトがかたまってきたようです。この日は子どもたちが考えたストーリーに合わせてイメージ映像を花火師が作ってきてくれました。おや？あのにぎやかな監督・なつみさんの姿がありません。実はなつみさん、公立の中学校に通い出したと言うのです。監督に代わってマユさんとれんさんがみんなの意見をまとめます。
「ストーリーの内容的には、簡単に言うと前を向けたってこと。最初の方は青・紫で、次にちょっと緑・黄色が加わって、最後の方で赤・黄色・ピンク…」
不登校で苦しんでいた自分たちがここにきて友達ができ前向きになれたことを色の変化で伝えたい。
【マユさん】「 緊張もしたけど周りの人が背中を押してくれて自分の意思を大切にすることがここでできるようになるよってことを伝えたい」【れんさん】「 いろんな人に少しでも勇気を与えられたらいいなって思います」
【水取代表】「 不登校の子どもたちが過ごせる居場所があるのを知ってほしいというのを僕たちが言うのはわかるけど子どもたちが言ってくれたのはすごい感動しました」
5月13日。花火大会本番。あいにくの雨…。それでも4年ぶりの開催とあって多くの人が会場に足を運びました。フリースクールの卒業生の姿も・・・あの、監督なつみさんも会場に来ると聞き、マユさんたちが再会を待ちます。日が暮れてようやく合流できました。
【なつみさん】「 今は公立の学校に行かせて頂いていて、6月はずっとひきこもりで7月からずっとキリン（フリースクール）におって、やけどやっぱり友達がほしくて、どうしても。キリンの子も友達やけど、もっと挑戦したいと思って」
【マユさん】「頑張るって意思は変わらないんだなって思いました、なつみらしい」
花火大会が始まりました。次はいよいよ自分たちの番です。ところが…音楽と花火がうまくかみ合いません。ついに止まってしまいました。また、音楽がなり始め・・【花火再開】最後は色とりどりに
【マユさん、れんさん】「 頑張ったというのは変わらんから、そうそう、まあいいんじゃない、最後はきれいやったし」
【なつみさん】「キリンに出会ってなかったら、なつみは今も学校に行こうとは思ってなかったと思うので、本当にあの花火にすごい感謝」
フリースクールに通う子も学校に戻った子も居場所はそれぞれだけど心ひとつに…思いよ、届け。
