【注目のバイオ燃料】捨てるはずの食用が高級イチゴ「淡雪」に!

【注目のバイオ燃料】捨てるはずの食用が高級イチゴ「淡雪」に!

「北海道のコロッケだから男爵いもでおいしい」
「いつも作ってもらっている」
尼崎市内の飲食店、北海道の食材を使ったメニューが人気ですが、
食材の値上がりは頭の痛い問題です。

【ノール・グランヴォラ 牧さなえ店長】
「油は毎月じゃないが定期的にずっと(値段が)上がっている状態。ランチ、揚げ物が多いので、油は一番なかったら困る」

とはいえ、同じ油を何度も使うわけにはいかず、調理した後の油は廃棄しなければなりません。

こうした油は「廃食油」と呼ばれこのお店ではひと月に1斗缶2つ分が廃棄されます。飲食店から出た廃食油は「産業廃棄物」となるため、ルールに従って廃棄する必要があります。通常、廃食油の処分・回収には費用が掛かりますが、このお店は市内の工場に無料で引き取ってもらっています。

【浜田化学 岡野嘉市社長】
「いろんな飲食店からでた油をリサイクルする工場です」  工場の中に入ると_

「なんとも言えない匂いが」「食堂の匂いですね」「フライドチキンやフライドポテト、油のにおいが立ち込めている」「実際に店から入ってきた油、こういう状態」

浜田化学の工場には全国から年間25メートルプールおよそ50杯分の廃食油が回収されてきます。まず食材を揚げた際に出る天かすなどを取り除き、ラードや植物油など種類ごとに分けられます。

【岡野社長】「それぞれのタンクに入って油の中の固形物と水分、油を分離する工程になる」

タンクで不純物が取り除かれると、1日ほどで精製された油ができあがります。

【記者】「サラサラしており、透かしても固形物が見当たらない」

こうして廃食油はバイオ燃料や石鹸などに生まれ変わります。そのリサイクル率は実に99.7%。さらに使い道はないのか…浜田化学では5年前から新しい取り組みを始めました。舞台は淡路島、案内されたのは廃校となった小学校の跡地です。校庭だったという場所に現れたのはビニールハウス…中に入ってみると…

収穫されずにわずかに残ったイチゴ。真っ赤に染まる前かと思いきや、これが熟した色なんだそう。『淡雪』という希少品種です。

山本「最後、農家が楽しめるように少し残している。食べてみて」
記者「酸味が少なくて、上品な甘さ。おいしい」

この高級イチゴの栽培に『浜田化学』の「油」が使われています。

「普通のイチゴ農家だと燃料に重油や灯油、石油由来の燃料を使うが、弊社はバイオ燃料を使っている」

さらに_ 山本「これは油かすをリサイクル。廃食用油を引き上げたときに出る油かすだが、今からこれを土に混ぜて発酵させて栄養価の高い培土を作っていく」

工場で分離された不純物も作物の出来を左右するとされる土づくりや肥料に活かされています。イチゴ栽培は気温や土壌の管理に手間やコストがかかるため環境負荷が高い作物とされていますが、
浜田化学ではリサイクルされた燃料と肥料を使い市場価値の高い品種栽培につなげることに成功しました。

【岡野社長】
「農業は毎年1つずつ違うことをやりながら改良していくところがこの仕事(廃食油のリサイクル)と同じ。テーブルから出たごみを農場に。農場でつくられたものをまたテーブルに。テーブルtoファーム、ファームtoテーブルというテーマでいろんな循環を作っていきたい」

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