「売れない三角ようじ」が大ヒットを生んだ!大阪・河内長野…100年企業の技と粘り

「売れない三角ようじ」が大ヒットを生んだ!大阪・河内長野…100年企業の技と粘り

https://youtu.be/cT_s39W7vLw

ピストル型のあるもの。先から飛び出るのはようじ。フランス製です。ようじは海外では身だしなみの必需品、お洒落に携帯品していたのですね。じつは、ようじ一筋100年以上という、こちらの会社に、ようじのことならなんでもわかる資料室があります。室長がこの方。

「つまようじ資料室へようこそ。」

 

全て広栄社 稲葉修会長のコレクションというわけです。

「世界中で使われているようじです。・・・カクテルピック。」

丸いようじは、果物や料理に使う道具。歯の手入れは別の形をしているそうです。

「これが三角形の?三角の形をしたようじ」

「そうです。」

 

最初、20本ほどが、つながっている三角ようじ。ひとつずつ、切り離して使います。

「こう入れますとスッと入ります 形に合っていますから上の2辺で汚れをとっておいて、、歯茎を押す、マッサージします。下に。歯茎の血液がよくなって歯周病に強い歯茎をつくる」

 

つまり、丸ようじは、歯茎を痛めてしまうというのです。

「日本では丸いようじしかありませんから、これをわかってほしいために、世界中のようじを集めて、見てもらおうと考えた。」

高度経済成長期、海外向けの製造が9割を超えていた光栄社。日本製は質が高いと人気でした。そんな中、北欧からの注文で作ったのが三角ようじです。若き稲葉会長は、熱心に各国のつまようじ事情を視察し、そして実感したことがありました。

「丸いようじを歯に使うなんてなんと野蛮なという感じだった。歯を守るためには絶対、三角形を使うという強い意識を持っていた、それにはびっくりした」

しかし、急激な円高が押し寄せ、海外市場から撤退。三角ようじを、日本で売らざるをえなくなったのです。

「高いから(既存品との)価格差をなんとか縮める方法を考えていた。すると展示会になんで三角ようじはつながっていけないといけないのか?」

まさに目からうろこ。

北欧生まれの三角ようじを、何も考えずに作ってきた自分が悔しかった。

そして、・・・「これや!」と閃いた。持つところは丸く、三角にするのは先だけだ。

「丸いようじは量産してますからね、それを三角形にできればいいなと思った」

機械の開発を任されたのが、現在の工場長。3か月かけて、なんとか機械をつくったのですが…

 

「最初につくった機械は(ようじを)1本ずつ削っていた。めちゃくちゃ遅い…だから

1日に何万本もできない。つまようじは何十本つくらないと…」

 

機械製造に詳しい、大学の先生に協力を仰ぎ、1日に20万本の目標をクリアしますが、なんと2年半の月日を費やしていました。こうして、おそらく世界初という、先だけが三角のようじが完成しました。ネーミングは歯の健康をイメージしてドクターピックと名付けます。

従来品と値段は変わらず、20本も多いので、これはヒット間違いなし!なのかな?

 

「売れたんですか?」

「売れると思ったんですよ。 これも全く売れなかった…」

 

歯の健康にこだわり続けた結果、オーラルケア用品メーカーとして認知され、歯を白くするスポンジが大ヒットします。今や、ようじ関連の売り上げは、全体の2割に届きませんが、会社の原点、三角ようじは作り続けるそうです。

 

「私じつは81歳で、全部自分の歯です。下がっていません。健康の第一番は歯だと私は思う。それを守るのがつまようじ。間違ったつまようじを使って、どないするんやと言いたい」

 

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