【安倍昭恵さん】鎮魂の祈り…教訓と風化させない…石巻・大川小学校 追悼の竹あかり – YouTube
東日本大震災の発生から丸12年が経ちました。多くの子どもたちが津波で亡くなった宮城県石巻市の大川小学校では命の大切さを伝えたいと竹とうろうに灯りが灯されました。
地震が起きた午後2時46分。石巻市の小学校に集まった遺族たちが祈りを捧げました。12年前のこの日…、地震発生から51分後に大川小学校に津波が押し寄せました。
【遺族・佐藤和隆さん】
「みんな裏山に逃げたと思った、あの段差の上に子どもたちを上げて写真撮ったりしてる、校長先生が」
裏山に登れば避難できたのになぜ、長い時間校庭にとどまり、最後には、子どもたちを川の近くの高台へ誘導したのか?
どうして、74人もの児童の命が犠牲になったのか?
~ドキュメンタリー映画「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち~ より
当時の市長「これが自然災害における宿命」
遺族「宿命!?」
残された親たちは 真実を知りたいと立ち上がり市と県を相手に提訴、5年に及ぶ裁判の結果、学校側が児童の命と安全を守る義務を怠ったとして遺族側の勝訴に。
【佐藤美広さん】
「74人の子どもたちが勝ち取った裁判と言ってもいいと思います」
その闘いの記録は映画化され、全国で上映が始まっています。
【今野浩行さん】
「学校が子どもの命の最期の場所になってはならない」
震災から10年の節目が過ぎ、大川小学校の遺族たちは命の大切さを考える機会にと去年の3月11日、小学校で初めて竹灯籠に灯りを灯しました。
【カンサイ建装工業 草刈健太郎社長】
「この竹見ていたらひとりひとり子どもへの思いがあって、すごいやさしい感じやね…」
大阪からも一人の男性が参加。大阪の建設会社社長の草刈健太郎さん。犯罪被害者の遺族で震災当時、石巻で炊き出しなど支援活動をしていました。食を通じて石巻と大阪の交流は今も続いています。
【石巻市の海産物会社・ヤマサコウショウ 佐々木社長】
「元気を注入してもらい、今、大阪との商売も増え本当にありがたいです」
復興支援の縁で、大川小学校の遺族ともつながりました。2月、今年も竹あかりを灯そうと遺族らが中心になり準備を行っていました。この日は、地元の竹林から切り出した竹に穴を開けていきます。草刈さんも大阪から駆けつけ、手伝います。
草刈さんに声をかけた女性。安倍元総理の妻 昭恵さんです。震災後、遺族から「大川小学校の現場を見に来てほしい」とSNSで声をかけられたことがきっかけで交流が始まりました。遺族が用意してくれた竹には安倍元総理が好きだった言葉が記されていました。大川小学校での「竹あかり」、実は安倍昭恵さんの提案だったのです。
【安倍昭恵夫人】
「竹あかりの光が子どもたちに届けばいいなというのがひとつ、遺族の人の思いはそれぞれ違うけど、それがこの竹あかりを通して何かの形でひとつになればいいな」
亡くなった子どものお母さんたちが、竹灯籠作りのためボランティアで参加してくれた人に郷土料理を振舞います。
【大川小学校で息子を亡くした今野ひとみさん】
「こうやって集まることだけでも子どもたちは喜んでくれてるかなって思う」
「大川小学校で息子を亡くした佐藤美広さん」
「想像以上にうれしいこんなに集まってくれるのが本当に。」
【大川小学校で息子を亡くした佐藤和隆さん】
「ほとんどの地域では東日本大震災から10年を節目にいろんな行事が終わっている感じでしたけども、我々は11年目から始まった。11年目だからこそできたのかな」
当時、小学校6年生だった息子を亡くした佐藤和隆さん。亡くなる5日前マラソン大会の写真です。
【大川小学校で息子を亡くした佐藤和隆さん】
「あの世で元気で…お父さんを見守ってと息子に言った」
そして、ことしの3月11日。
【草刈健太郎さん】
「12年経ったら(息子さんたちは)ことし成人式なんだって。竹あかりをやることによって、また子どもを思い出すから本人たちもつらいのかもだけど、これを次に繋いでいく、つらさを力に変えていくというのは皆さんすごいなと思う」
「佐藤実行委員の挨拶」
「たくさんの人の支えがあったから今があると思います。それには感謝します。今、震災後12年って言いますが、もしかすると震災前にもうなっているかもしれません。決して風化させない、風化してはいけないこの出来事を語り継ぐことが非常に大切」
日が暮れるころ竹灯籠に灯りがともりました。
竹は全部で108本、震災当時、大川小学校に通っていた児童と同じ数です。
「不動心」の竹の前に、そっと写真を添えました。
【安倍昭恵夫人】
「去年、竹あかりができた時すごいきれいだったので、来年は主人を連れてきますと言ったのが、こんな形になってしまって。それでも…きっとどこかで主人と子どもたちは出会っているのかなって思います」
【大川小学校で息子を亡くした佐藤和隆さん】
「子どもたちもきれいだねって見てる気がします」
あの日を忘れない。灯るあかりにそれぞれの思いを繋ぎます。