2006年12月2日放送 (テレビ大阪)
2006年12月7日放送 (奈良テレビ放送)
今回の花* 中甚兵衛さん
■中甚兵衛さん■
江戸時代、先頭に立って大和川の付け替え工事嘆願を訴え続けた。今米村の庄屋。
洪水の被害をなくした大和川付け替え
緑およそ300年ほど前、大和川は柏原市付近で北西へ数本の
川に分かれて淀川へと流れ込んでいました。
当時はとても水害の多い川だったため困った農民たちは
江戸幕府に大和川の付け替えを嘆願しました。
工事開始まで約50年がかかりましたが、
その間先頭に立って
訴え続けたのが、今米村の庄屋・中甚兵衛です。
甚兵衛の思いは実り1704年、付け替え工事は始まりました。
記録によると、工事はのべ245万人を動員。
およそ7万1500両、
現在の貨幣価値で143億円が費やされました。
柏原市立歴史資料館 学芸員 安村俊史さん
「当初はどうも3年間ぐらいかかる予定だったですけれども、
実際には8か月という短い期間でやっています。
両側に土を盛って堤防を作るというのを中心に工事をして
おります。
こういうことで考えられもしないほど早く工事が
終わったんですね。」
付け替えによって洪水の被害がなくなりました。
大事業達成のあと中甚兵衛は出家し僧侶として晩年を過ごした
そうです。
付け替え後の大和川を彼はいったいどんな思いで
見つめたのか。
様々な夢を映しながら、川はいまも悠然と流れ続けています。