近年、女性スポーツ選手の活躍には目を見張るものがある。
しかしスポーツの現場は 、男性を強くするためのトレーニング研究は多くある一方で、男女の身体機能の違いや、女性特有の生理による体の変化を考慮した研究はほとんど知られていない。
多くの女性アスリートが女性特有の問題について声を上げ始めてきた昨今、「女性の身体×スポーツ」の課題について、現状とその背景について取材を通し掘り下げていく。
兵庫県赤穂市にある関西福祉大学・陸上競技部に密着した。
関西福祉大学・陸上競技部コーチ
熊野 陽人さん
関西福祉大学
陸上競技部のみなさん
「パフォーマンスをあげたいという観点からいくと、女性は女性、男性とは違う性機能があるのでそこを踏まえた指導をしたほうがパフォーマンスは出やすいはず」。そう語るのは、関西福祉大学の陸上競技部でコーチを務める熊野陽人(くまのあきひと)さん。
コーチのキャリアをスタートしたすぐのこと、男女同じトレーニングをしているにも関わらず、男子は結果が出るのに、女子は結果が出ない…なぜ?
そこには、男女の身体機能の違い「性差」が関係していた。
女性の身体機能を語るうえで切り離せないのが、女性の生理。健康のバロメーターともいえる生理だが、女性アスリートにとっては面倒な点が多数存在するのも事実。
指導者の中には、生理がきちんと発来するような「女の体」になってしまっては競技力が低下する、と豪語する人がいることも。しかし、思春期から性成熟期の女性アスリートにとっては、排卵があり生理があることは、「身体が妊娠可能な余力を残している」という指標でもある。
熊野コーチの取り組みは…?
同じ⼥性としてすごく共感できますし、私も役者として舞台に⽴つ際、同じように悩んだ経験があります。
スポーツの世界だけでなく、幅広い分野や世代の⽅に届くのではないかと思いました。
悩みや葛藤を⾔葉にしてくださった選⼿の皆さん、⼥性のからだを理解することの⼤切さを丁寧に教えてくださったコーチの想いを、視聴者の⽅に真っ直ぐに伝えられるよう、できるだけ余分な装飾をつけず⼤事に読ませていただきました。
⼥性が様々な分野で活躍しているこの時代、⼥性のからだについての悩みや不安、性差によるからだの違いについて、男⼥問わずお互いに理解しあうことが必要だということが、少しずつですが広まりつつあると感じています。ですが、まだまだ壁がある。
この番組が、みんなが⽣きやすい世の中になるひとつのきっかけになれることを祈っています。
<コメント出演>
プロフィギュアスケーター
鈴木明子さん
10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪に日本代表として出場。解説者や振付師として活躍する傍ら、自身の経験から「女性の健康」をテーマに積極的に発信している。