日本3大祭に数えられる祇園祭。見せ場となるのが豪華絢爛な山鉾が都大路を練り歩く山鉾巡行。 しかし、コロナ禍で山鉾巡行は2020年、2021年と中止に。今年は3年ぶりに復活を果たした。その山鉾巡行後祭におよそ196年ぶりに参加するのが鷹山。 鷹山は応仁の乱以前から巡行していた由緒ある山で特に大きな曳山だったが、1826年の巡行で大雨にあい、懸装品が傷ついたことを理由に翌年から巡行に不参加、その後の火災で山が焼失し休み山となっていた。

そんな鷹山を復興させようと2015年に保存会が設立され、2019年には「唐櫃」と呼ばれる箱を担ぎ、巡行復帰を果たしている。 消失した山の復興も順調に進み、曳山の四方を飾り付ける豪華な胴懸や水引なども用意された。 しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年の祇園祭は中止になり、2021年には一部の神事と町内に山鉾を建てる山鉾建てのみとなった。 復興に向けてのリハーサルとなるはずだったこの2年。祇園囃子を奏でる囃子方や山の引き方や辻回しを担う車方にとって、満足な経験を積むことができない2年となった。 歯がゆい思いも感じた2年だった。

そんな状況でも鷹山保存会の山田純司理事長は「疫病退散を願う祇園祭の本分を知った」と前を向いていて、山鉾巡行に臨んだ。 果たして、その結果は?196年の眠りから覚め、飛び立った2022年祇園祭後祭山鉾巡行復帰への道、4年の軌跡を追った。

語り

俳優 佐々木蔵之介

佐々木蔵之介

京都で生まれ育った私にとって、子供の頃、一年で一番ワクワクするのは祇園祭でした。
宵山に歩行者天国の露店を練り歩き、翌日の山鉾巡行を見届けたら、もう夏休みは目の前!
五山送り火や地蔵盆が待ち構えています。
今年は、3年振りの祇園祭 山鉾巡行を、間近で体感する事が叶いました。
そしてこの番組で、鷹山の町衆の方たちの4年近くを追った映像を拝見しました。
1100年に渡る祭りを継承する、責任と覚悟と尊さに心打たれました。
196年振りに蘇る鷹山の、復興にかける夢と挑戦、是非ご覧ください。

鷹山が復興すると聞き、復興にかける町衆の思いを追いかけ始めてから4年が経ちました。
その間、コロナ禍での辛苦は予想以上でした。見事、都大路での巡行を果たした姿は感極まるものが ありました。視聴者の皆様にその感動が伝わることを切に願っています。

プロデューサー 西村 聡