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中国四川省、涼山イ族自治州。標高3000mの山岳地帯に少数民族イ族のむらがあった。
中国で最も貧しい地域のひとつであるこの村の平均年収は3万円ほど。
大人たちのほとんどは教育を受けておらず独自の言語を使い、中国の標準語を話すことができない。
中国語が話せないので都会での仕事に就けない→仕事がないのでお金がない→お金がないので子どもに教育を受けさせられない。この貧困の連鎖が延々と続いていた。
ところが中国政府が2006年に義務教育を無料化したことで、一気に教育熱が高まる。今回密着したニレムジュさん一家も同じ。3人の子どものうち成績優秀な長女アイは県で一番の進学校の5年生。長男ムティは3年生、末っ子のアカは1年生だ。しかしアイが交通事故で骨折し入院費用で借金。
9月、アイはどうにか6年生に進級、ムティも隣町の学校へ。村には母と末っ子のアカの2人きり。
冬になって一時的に村に戻った父と子どもたち。
暖かい囲炉裏が家族を照らす…果たしてこの家族の未来は?
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取材班は7年ぶりに山の村を訪ねた。すると家にいたのは末っ子のアカだけ。小学1年生だったアカは中学2年生になっていた。
取材班は家族の消息を追った。父と母は1800キロ離れた沿岸部、杭州の石材工場に出稼ぎに、そこには5年前に生まれたという三女アチェも。成績優秀だった長女アイは温州に。そして家族の期待を一身に受ける長男ムティは高校受験で村を離れ家族はバラバラ。
そんな中、父が突然の腎臓病で入院、さらに仲の良いいとこが高校入試直前に交通事故に…その影響かムティの試験結果は予想をはるかに下回ることに。この7年、息子をいい学校に入れることだけを考え働いてきた父は息子を殴り、途方に暮れる。果たして家族の未来は?
11月、標高3000mの村。イ族の正月は11月、この日だけは家族全員が集まる。7年前に家族を照らした暖かな火が、再び家族を包む。世界第2位の経済大国中国の深層で懸命に生きる人々の姿…誰もが希望を見つめていた。