彫刻家ロダン唯一のモデルとなった日本人女優、太田花子。単身ヨーロッパへ渡り、自身の劇団を立ち上げ世界各国で公演。だが、その道のりは文字通り波乱万丈そのものであった。まだまだ男尊女卑の考えがあった時代での座長としての劇団旗揚げ、それに対する陰湿ないじめ、2度にわたる離婚、そして第一次世界大戦を前後する社会情勢…。しかし、ロダンがハナコをモデルに3年もの月日を費やし完成させた傑作「死の顔」が発表されると状況は一変する。巨匠ロダンを魅了した花子の“死の演技”とは…?
知花くららが花子が実際に舞台に立っていたパリ・クレバン劇場やロダンと過ごしたアトリエなど訪ねて彼女の足跡を辿る。数奇な運命をたどった太田花子の人生に知花くららは何を想う―