どうして船は浮くことができるの?
水の中に置かれた物体には、それが押しのけた水の重さに等しい『浮力』が働きます。
(この原理は、紀元前250年頃ギリシャの科学者『アルキメデス』によって発見され、『アルキメデスの原理』と呼ばれています。)

例えば、中身が詰まった鉄の球を水の中に入れると、すぐに沈んでしまいます。
これは、鉄球に働く浮力よりも重力のほうが大きいからです。

ところが、同じ重さで中身がカラの、薄い鉄板でできた球の場合は、水に浮くことができます。
これは、体積を増やすことで、重力よりも大きな『浮力』を得ているためです。
船が浮くのは、体積を大きくして『浮力』を得ているからなのです。

ちなみに、嵐などで転覆した船は沈んでしまいます。
これは、先の例になぞらえると『中に水を詰めた鉄球』のようなものであり、『浮力』つまり船体によって押しのけた『水の量』自体が小さくなってしまうためなのです。
  監修:宝多卓男さん(生野高校教諭)