“モリゾー”、こと清水盛三。バスフィッシングの世界では知らない人はいない、著名なバスプロである。
モリゾーはJBクラシック優勝など数々の国内トーナメントを制した後、戦いの舞台を本場アメリカに移した。そして初渡米から約10年後の2011年、米国最高峰のトーナメントとされるバスマスター・クラシックに出場を果たした。この大会は、全米から選りすぐられた50人のバサーが、賞金50万ドルとワールドチャンピオンの称号を賭けて3日間戦う。大会に出場できることが、トップトーナメンターの証である。モリゾーは、最終日にエンジントラブルに見舞われ1時間以上も出遅れたが、平常心を保ち23位の成績を残した。彼は言う。「技術は誰も変わらない。勝つためには情報量とメンタル面の強さが必要。」
クラシック終了の翌日、モリゾーはルイジアナ州のダム湖“トレド・ベンド”に向かった。3月から始まるシリーズ大会の舞台となる湖の一つで、その下見を兼ねて番組のロケを行う。トレド・ベンドは全米一と言われるほど立木が多い、クセのある湖だ。
ロケ初日、モリゾーはバスが産卵のため浅場に集まっていると考え、バンク(岸)沿いを中心に浅場を狙う。が、釣れるのは小型のバスばかり。これではトーナメントで勝てない。2日目は発想を変えて水深約5mの深場、ステージングエリアを狙う。バスが産卵前に一時留まる場所だ。その狙いが的中、
7ポンドオーバーを始め大型バスを3尾連発する。すぐさまGPSにポイントを入力。「現代のバス釣りは情報戦。昨日釣れなかったのも情報。今日のポイントは本番でも当然狙う。」
誰の力も借りず、地道にトレーニングを積むモリゾーに密着。