茨城県霞ヶ浦でのバス・フィッシング。アングラーは岸釣りのエキスパート・バス・フィッシャーマン村上晴彦。真冬のタフ・コンディションを攻める技に迫る。
初日、潮来市の牛堀地区で実釣スタート。2月の低水温期、バスの活性は著しく低い。滅多なことではルアーを追わない。過酷な条件下、村上は注目の新スタイル“ベイト・フィネス”でバスに迫る。村上は言う。「この時期、バスは自分の釣りに合わせてくれない。バスに合わせる釣りをしてゆく」その言葉通り、軽いルアーを使ったスローな釣りを展開。魚が釣れない時、釣人はあれこれ釣り方を迷ってしまうもの。ところが村上は厳しい条件下でもルアーに反応する魚がいると信じ、自分の釣りを貫き通して行く。
2日目(最終日)、早朝から土浦地区の河口に入った。バスと確信できるアタリがないまま時間だけが過ぎてゆく。予想以上に厳しい展開。村上の集中力も限界に達したその時、微かなアタリがロッドに伝わった。虚を撞かれ慌ててアワセる村上。だがハリは無常にも魚のアゴを捉えなかった。痛恨のミス。自分の無力を呪うほかない。悔しがる村上。だがすぐに気落ちを切り替える。「自分の釣り方は間違っていない・・」
ハリを小さくしもう一度アタリのあったポイントを攻める。祈るような気持ちでリールを巻く。1cm、2cm…。水中の変化を見逃すまいとゆっくりルアーを引く。その時、微かなアタリが…。頭で考えるより早く手が動いていた。ロッドはズシリとした重量感で弧を描いていた。釣りの神様が村上に微笑んだ。上がってきたのは精悍な面構えのラージマウス・バス。エキスパートならではの経験と技、そして精神力がもたらした一尾であった。
タフなコンディションの中で、
最後の最後に貴重な一尾を釣り上げた、実釣ドキュメンタリーを
見逃すな!!