2010年8月28日

ポートレイトフィッシング~“釣り人たちの肖像”

各界で活躍する人の中に、大の釣り好き、という人は多い。そんな人たちの“肖像"を描くことで、釣りの魅力を再発見するシリーズ。 今回の主役は、競艇の“賞金王"。
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ボートレーサーの吉川元浩(37)は、3年前、最も権威あるタイトル「賞金王」を勝ち獲った。現在の競艇界でトップに君臨する一流選手の一人だ。14年間の選手生活で獲得した賞金の総額は9億円を超える。 競艇は一節4〜6日でレースが行われる。その間、選手たちは外部との接触が遮断された宿舎生活を送る。携帯電話が取り上げられ、散歩に出かけることも出来ない。 吉川は一年の三分の二をそんなふうに過ごす。レースが終って次のレースが始まるまでが休日となる。だが勝つためにはその間にやらなければならないことがある。それはモーターに取り付けるプロペラ作り。吉川は丸1日〜2日をプロペラ作りに費やすという。仕事を忘れて過ごせる完全フリーの休日は、ひと月に1日あるかないか、の貴重な時間だ。その1日を、たいていは、釣りに費やすという、根っからの釣りが好きだ。レースが終われば殆ど必ず釣りに出かけるという。子供の頃、祖父に連れられて初めて防波堤で釣りをした。中学生になるとバス・フィッシングを始めた。競艇選手になってからは先輩に誘われてエギングを始めた。玄人好みのヤエン釣りも嗜む。今はジギングに夢中だ。福井の若狭沖や兵庫の淡路沖で釣りをしている。 盆のレースを前にした8月のある日。吉川はジギングを楽しもうと釣り好きの先輩後輩と共に淡路沖に繰り出した。70cmクラスのサワラにメジロ、サバやアジが次々とヒットし、船上は高揚感に包まれた。勝ってナンボのプロの世界に生きるボートレーサーたち、普段は“ガチンコ"のライバル同志が、この時ばかりは、破れるほどの笑顔を見せる。釣りの魅力だ! 吉川は現在、年末の賞金王レースに出場できる12人に、限りなく近いポジションにいる。「釣りは最高の気分転換です」勝ってナンボの戦いを繰り返す日々。大好きな釣りが疲れた身体を癒し、張り詰めた心を解放してくれる。「仕事を忘れて過ごせるのが最高です。釣れても釣れなくても釣りはホンマに楽しい」釣りを友に人生を歩むボートレーサーを追った。

詳細情報

場所/ポイント 兵庫県淡路沖
出演者 吉川 元浩(よしかわ もとひろ)
タックル図
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取材地連絡先 明石の船宿:魚英
TEL:(078)917-1285