2010年4月10日

四国・愛媛 早春の大型チヌ 50センチオーバーを狙え!

愛媛県の南西端にある御荘(みしょう)湾は、長崎県対馬、五島列島玉之浦湾と並ぶ大型チヌの宝庫。50センチオーバーのいわゆる“年無し”と呼ばれるサイズが数多く釣れるチヌ釣りファンにとって憧れのフィールドである。

 今回はここ御荘湾で、広島の名手・木村公治と秋田の名手・船木和久の二人が、乗っ込み直前の大型チヌを狙う。  木村と船木はともに、チヌ釣りトーナメントの全国大会優勝経験者、この二人の名手が御荘湾のチヌを如何にして攻略するのか。
3月25日、朝から小雨が降り続き、時折12mを超す北西風が吹き付ける。 御荘湾は北西に向けて開いて外海とつながっているため、風をまともに受けてしまう。二人は数少ない風裏ポイントの一つ“作業場”という磯に上がる。  御荘湾のチヌは、大きな群れを作らず、2〜3匹が回遊しているので、回遊待ちの釣りになると木村は言う。  木村は風に仕掛けが流されないよう棒ウキにして、比較的軽めの仕掛けで、5mほど沖にあるカケアガリに仕掛けを這わせるようにしてチヌを待つ。
一方、船木は円錐ウキと重めの仕掛けで タナをとる釣りでカケアガリを攻める。実釣開始から7時間が過ぎた午後1時過ぎ、木村が仕掛けを回収してみるとチモト近くのハリスがよじれている。チヌが噛んだ跡だ。次の一投、木村は仕掛けに被せるマキエサを少なくして、磯際にたくさんマキエサを打った。するとスッとウキが消し込んだ。強いヒキ…。釣れたのは銀ピカに輝く約40cmの良型チヌだった。チヌから離れた所にマキエサをたくさん打つ事でチヌの食い気が高まる。しかし磯際では怖くて近寄れない。そんなチヌの上にエサを落とす事で飛びついてくる。木村の作戦が見事的中した。

その後、アタリはあるものの、合わせても掛からない状況が続き、さらに2時間が経過。木村は針の号数は4号のまま、ネムリバリの短軸に換えた、しっかりと飲ませる作戦だ。そして換えた途端にヒット。大きくはないがきれいな一尾をゲットした。船木は円錐ウキをあきらめ、棒ウキに換えた。針も5号から3号の細軸に換えて、タナ4ヒロでカケアガリの壁から離さないようにして待つ。するとウキが消し込む。しかしすぐには合わさない。じっくりとひと呼吸おいてから竿を立てる。 釣れたのは約35cmのこれまたきれいな一尾。さらに2時間経過した午後5時過ぎ。 再び船木のウキが消し込んだ。今度は竿が大きく弧を描く。走らせると根に突っ込まれて糸が切れてしまう。船木は糸を出さず竿でためて魚を浮かせる。上がってきたのは48cmの丸々とした一尾。木村も負けじと良型を2連発。初日は木村4尾、船木2尾の釣果となった。

二日目、昨日よりも風が強い。瞬間最大風速は16mを超す。ポイントは初日と同じ“作業場”。二人は強風に悩まされながらチヌの回遊を待つ。午後1時過ぎ、木村の仕掛けにカサゴが食いついた。ウキ止めをずらし、60cmタナを上げて再び同じ場所へキャスト。そして一発ヒット。サイズは大きくないが、カサゴの上をチヌが泳いでいるとの読みが的中した狙い通りの一尾。午後3時、船木は仕掛け全体を軽くしながらも針側にはオモリを打って張りが出るようにして待つ。道糸を引っ張り、誘いをかける。そしてヒット。竿がしなる。大きい。だが魚が根に張り付いてしまった。いったん糸を緩めて、魚が動くのを待つ…、すると不意をついて魚が一気に下に入ってしまった。ラインブレイク。続いて木村がヒット。こちらも大きく竿がしなる。魚を怒らせずに慎重に寄せる。釣れたのは昨日の船木と同じ48cmの良型の一尾。  群れを作らず、マキエサを打っても浮いてこない。
そして、とにかく引きが強い…。御荘湾のチヌを攻略する二人のテクニックを是非お楽しみに。

詳細情報

 
   
場所/ポイント 愛媛県愛南町・御荘湾
出演者 木村 公治(きむら こうじ)
船木 和久(ふなき かずひさ)
タックル図
----- 使用タックル -----

取材地連絡先 山本屋
(0895)75-0230