豊後水道に面した愛媛県中泊は、四国屈指のグレ（メジナ）釣りフィールドとして名高い。中でも小地島の大三角は、夢の60cmオーバーが狙って釣れる磯。多くの大物釣り師を惹きつけて止まない。

11月下旬の朝、グレ釣りのエキスパート山元隆史と坂東純也が60cmオーバーの尾長グレを求めて大三角に上がった。山元はこれまで3尾の60cmオーバーを釣り、最大は69cm。坂東も3尾で、最大は大三角で仕留めた63.5cm。

大三角は、足下が急深で本流も流れず、比較的釣りやすい場所。だが、毎日のように釣り人が入っているため魚がスレきっている。掛けた後のやり取りよりも、食わせることが極めて難しい。そのため、ハリスは2.0号～2.5号と大物狙いでは考えられない細いハリスを使う。山元は2.75号、坂東は2.5号でスタート。

坂東いわく、大三角のグレは概ね磯際に張り付いており、活性が良いと、餌を食べに釣り人が視認できる水深まで浮き上がってくる。ターゲットは、その「見えグレ」。磯際をじっくりと攻める。

およそ2時間後、山元が掛けた。が、反転した瞬間に針はずれ。しっかりとくわえ込んでいなかった。仕掛けの違和感を極力減らすため、2.5号にハリスを落とす。すると…ヒット。今度はしっかりと針掛かり。49cmの良型をゲットした。
普段なら大喜びのサイズだが、今回の目標にはまだまだ。「ここからがスタート」と言う山元。

坂東も2.5号から2.25号へハリスを変えた途端にヒット。細ハリスは食わせやすいが、口切れや根ズレのリスクが増える。魚を暴れさせないよう慎重にファイト。
およそ45cmを釣り上げた。そして立て続けに山元の竿がしなる。上がってきたのはなんと55cm。圧倒的な重量感と迫力、まさしく巨グレである。「あと5cm」山元は快心の笑顔で応えた。

チャンス到来、気配は濃厚。夢の60cmオーバーはもう手に届くところにいる！！！