ヤエンのアオリイカ釣りは「針のない釣り」と言われている。
餌は生きたアジを使う。アジを操り泳がせてアオリイカが乗るのを待つ。
しかし、このとき仕掛けにアオリイカを掛ける針は無い。『ヤエン』が針の無い釣りと呼ばれる所以である。

ヤエンは針金にイカ掛け針がついた矢のような釣具。道糸にヤエンをロープウェーのように掛け、滑り込ませて、アオリイカを掛ける。アオリイカにヤエンを入れるまでの寄せ方、イカとのやり取りはスリルたっぷり。手順の多いそのヤリトリは見ている者もハラハラ、どきどきするのである。ヤエンが掛かっていても、取り込みで暴れられてバレルこともある、なんとも厄介な釣りである。
これは、釣り人が考えた、アオリイカと釣り人が真剣な戦いのなのである。
 

今回のアングラーは“浪速のヤエン師”　岡 啓太郎。
“消費税の釣り”（成功率５％）と言われるほど獲りこみの確率の低い『ヤエン釣り』において、ほぼ１０割の獲得率を誇る名手なのである。


そんな岡が番組で出した記録の更新が今回のテーマ！
2004年に出した2.5ｋｇを大きく更新の3ｋｇのアオリイカに挑戦するのが今回のテーマ！！4月29日向かった所は、和歌山県白浜町の市江漁港。ここから出る渡船でこの時期、磯に産卵に来るアオリイカをねらう。

実は、岡は前々日の27日にこの磯に訪れ、3ｋｇのアオリイカに挑戦していたのだ。このときは低気圧の強風にさらせれ、竿先がぶれ、ラインが流される最悪なコンディション。そのため、探りを入れても解らず、アタリはあるものの釣りにならず。数箇所の磯を回ったものの一切釣れなかった。

ひょうひょうとした、おしゃべり好きな岡、いつもは釣りをしながらも口が止まらないのだが、この日ばかりは、無言でアオリイカの姿を追っていた。そのリベンジにやって来たのである。

果たして名手・岡は目標の3ｋｇのアオリイカを仕留めることができるのか！