世界有数の大都市・東京に面する、メガロポリスの海、東京湾。
そこはかつて、遠浅の干潟が延々と広がり、多くの生き物が住む自然豊かな海だった。
しかし、埋め立てや工業廃水によって自然が失われ、いつしか「死の海」とさえ呼ばれるようになっていた。
今でもそんなイメージが強いであろう東京湾だが、実際には、どうなのだろうか?
実は、今もなお、新たな生命が生まれ、そこに息づいている。四季折々、様々な魚が釣り人を楽しませてくれる。東京湾に、元から有る自然を戻そうと努力する人々も数多い。
急速に破壊された海が、今、徐々に蘇りつつ有る。
『東京湾は、死んでいない』
確かに、埋立てによって自然が、生態系が壊された事は否めない。事実、江戸時代から多くの釣り人を魅了したアオギスも、今では見られなくなってしまっている。
大塚も少年時代やったことがあるというアオギス釣りは、大きな脚立を浅瀬に立て、その上から竿を出すという、情緒あふれる釣りだった。かつては東京湾のそこかしこで見られたその光景は、埋立てによって消えた。
しかしその一方、増えた魚も多いという。今や、東京湾の超人気ターゲットとなったスズキやメバルが、その代表だ。
神奈川県・金沢八景では、魚たちの住処となるアマモ場を再生させ、様々な稚魚たちが生まれ始めている。
江戸川の河口にも、海に住む様々な稚魚たちが姿を見せてくれる。
人の手で壊された東京湾。しかし、人の手ではけがす事の出来ない自然の生命力、尊さが、この海には、ある。
場所/ポイント | 東京湾 周辺 |
出演者 |
大塚 貴汪(おおつか たかひろ) |