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番組審議会の報告

2008年 - 6月

開催月日 平成20年6月12日(木)
出席委員 和田亮介委員長
稲田紀男委員、堀江珠喜委員
新井純委員、町野和道委員
綾智佳委員、川合英雄委員
欠席委員 牧野明次 副委員長
会社出席者 上田克己 社長、立岩文夫専務、
下舞浩 取締役編成局長、
井口佳和 制作局長、
佐藤寛 プロデューサー(報道部)、
大沢比呂 番組審議会事務局長
審議内容 「胎動2」
5月10日(土)16:20〜17:15(55分)放送
<委員の主な発言要旨>(文中敬称略)

全般的にすぐれた番組だ。大学、病院、患者、それぞれの視点で産科医療の問題点が捉えられていて良かった。

今ホットな話題を取り上げているなと思った。産科医が少ないという現状に厚生労働省がどう手を打つのか。厚生労働省のインタビューが無かったのが残念。訴訟を恐れている背景に対する措置をどう考えているのか、なども触れて欲しかった。

周囲にも子供を抱えて働いている女性や、「もう一人子供が欲しいが難しい」といっている女性が多い。今の状態は確かに不安だと思う。前作も見ているので、「胎動2」はとてもよく理解できた。医師の労務実態にも限度があり、医局制度も古くなってしまっているということがよくわかる。次に何をすべきかということが見えたらベストだと思うので、番組を次に続けていただけたらと思う。

「お産の貝塚」と言われる所以がよくわからなかった。伝統についての説明が欲しかった。テレビドラマで人気のスターが産科医の役などを演じてくれれば産科医を目指す医学生が増えるのかもしれない。

真面目に作られた良心的なドキュメンタリーで好感が持てた。ただ、土曜日の夕方にこのテーマで視聴率が取れるのか心配した。スポットを当てた医師が優しくにこにこしていて良心的で、取材対象の選定に成功していると思った。ぽつぽつと語っているが、その言葉は逆に説得力を持っていた。誠実さ・真摯さが見えてくるので、取り上げた人物が非常に良かったと思う。もう一人の医師も淡々としていて、却って厳しい現実を浮き彫りにしていたと感じている。このドキュメンタリーには所謂「悪者」がいない。慢性化する産科医不足・苛酷な勤務実態・医師の供給システムの崩壊・足並みそろわぬ自治体・病院経営の実態・お産する側の問題。問題がいっぱいあって、解答はなんだろう、と疑問が最後まで残ってしまう。統合も根本的な解決にはならない。そこのところが消化不良になってしまう。しかし大変良心的なドキュメンタリーで、良かったと思う。

前作に比べ、シンプルかつわかりやすく、本質をついていて大きく前進していると感じた。番組作りは構想力の有無にかかっている。豊富な知識とイマジネーションが必要だが、その両方があった。特に貝塚病院に目を付けた着眼点には最高の賛辞を惜しみなく贈りたい。産科医療の崩壊の「原因」つまり医師不足と医局制度の解体、そして「改善」つまり病院の集約化— これが入っているのは感動的とすら言ってよい。 また、医師が医局制度の解体について鋭く発言しているのを目にしたのは他にはない。医師の目線を積極的に取り上げた番組は、視聴者の大きな利益につながる。 ただ残念ながら、社会の認識よりもこの番組のプロデューサーの認識の方が一年早いと思うので、一年たったときに社会がこの番組のすごさに気付くと思う。そう考えると楽しみだ。

良心的かつ真面目で、これまで見た番組で一番だった。一作目と二作目の差にびっくりした。ただ、取り上げられていた医師があまりに過酷な労働で可哀想だった。もっと明るい希望の灯は見えなかったのだろうか。

以上

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