会社情報

番組審議会の報告

2007年 - 11月

開催月日 平成19年11月14日(水)
出席委員 和田亮介委員長、稲田紀男委員、堀江珠喜委員、新井純委員、久保純夫委員、
芹川洋一委員
欠席委員 牧野明次委員、綾智佳委員
会社出席者 上田克己 社長、立岩文夫 専務、鈴木清文 常務、井土保 常務、
下舞浩 取締役編成局長、酒井悟朗 取締役報道スポーツ局長、
宮谷雅秋 制作局次長、大沢比呂 番組審議会事務局長
審議内容 報道番組
「13億人の深層 甦るシルクロードの大地
〜中国・新疆ウイグルへの夢〜」
【委員の主な発言要旨】  (文中敬称略)

はるか中国西部の新疆ウイグルまで行って取材をしたのか、という驚きと、「シルクロード」というイメージから“ロマン”を感じながら観た。

現地の回族の女性達の姿をうまく捉えていて、人物描写が面白かった。ただ、人物に焦点を当てた部分と西部大開発に焦点を当てた部分の流れにつながりがなく、若干の違和感があった。一つのストーリーのように見せてもらえたら尚良かったのではないかと思う。人物描写をとってみても、報道規制のある中で開発問題をとらえた映像をとってみても、新聞は絶対に勝てないなと感じた。

遣隋使が難波津から出航して今年で1400年。今このように中国を題材に番組を制作したのは非常にタイムリーであり、テレビ大阪25周年を飾るにふさわしい番組と言えるのではないか。

中国西域の新疆ウイグルはまさにシルクロードの途中の砂漠地帯、というイメージを持っていたが、近代都市が形成されているということに驚き、大阪の商社があのような商業施設を作っているということにも驚き、85分間飽きずに見ることができた。

ただ、漢族の方が多いはずなのに、取り上げられていた女性が二人とも回族だったので疑問を感じた。また、大阪の商社に雇用されるにあたり、中国との商習慣が違うはずなのにそれが感じられなかった。

番組制作のきっかけが「新疆ウイグルありき」、だったのか、「船場の一企業ありき」、だったのかどちらだろう、と思いながら見た。また、二人の女性従業員が両方回族だったことには私も違和感を感じた。他民族も取り上げてもよかったのではないか。石油の問題等も私にとっては新しい情報だったので、非常に興味深く見た。

放送の時間帯もよくないが、このタイトルでは「食いつき」が悪いと思う。もう少し内容を想像させるタイトルにすべきだ。作られた商業施設はなぜ地下だったのか、説明が無かった。防火設備などは万全なのだろうか、そして建設に当たっての資金の流れはどうだったのだろうか、などの疑問が湧いてきた。

番組プロデューサーの眼力の強さを感じた。ドキュメンタリーは制作者の社会観や思想や哲学が如実に出るもので、本物かニセモノかがハッキリするが、これは本物だった。

現地の二人の女性を通じて、少数民族の問題、宗教の問題、貧富の差の問題など、様々な問題を見事に映像化していた。また西部大開発の背景には、少数民族の不満解消とエネルギーの確保という二面性があるが、それをシンプルかつ的確にまとめており、さすがだと感じた。また、ウイグルの心のふるさと、と言われるカシュガルの地の映像を持ってきたのは素晴らしい。

注文をつけるならば、船場の一企業の成功物語、という匂いが強過ぎた。もっと押さえても充分チャレンジ精神は伝わると思う。

大阪・船場では「人のせんことをする」というのがモットー。誰も発想しないアイデアが成功のキーポイントだったのだろう、と思いながら観た。真面目で良い番組だった。

以上

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