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番組審議会の報告

2007年 - 7月

開催月日 平成19年7月17日(火)
出席委員 和田亮介委員長、牧野明次委員、稲田紀男委員、堀江珠喜委員、綾智佳委員、芹川洋一委員
欠席委員 新井純委員、久保純夫委員
会社出席者 上田克己 社長、立岩文夫 専務、鈴木清文 常務、井土保 常務、下舞浩 取締役編成局長、酒井悟朗 取締役報道スポーツ局長、井口佳和 制作局長、岩谷哲幸 東京制作部長、大沢比呂 番組審議会事務局長
審議内容 新番組「三丁目のポスト」
7月2日(月)19:00〜20:48(初回108分)
【委員の発言要旨】  (文中敬称略)

この番組は何を訴えたいのか、あれもこれもということで焦点が定まっていないのではないか。もっと絞り込んだほうがよいと思う。裕次郎の秘話や小林幸子の「お涙頂戴」、高橋英樹の裏話など、一つ一つはそれなりに面白いものかもしれないが所詮は「業界話」。カンニングの竹山のエピソードように、一般の人を巻き込んだ出会いのほうが、感動を共有できるのではないか。

この番組の持っている、少し懐かしい「アナログ感」のようなものは、テレビを見ている側が求めているものが変わってきている今の時代を的確に捉えていると思う。ただ、往年のスターたちが出ていることもあって既視感があり、カンニング竹山のほうがインタラクティブ性というか、視聴者とテレビをつないでくれるチャンネルが近いという感じがした。もっと個人の手紙があったほうが面白いのではないか。番組としては、他の番組とは何か違う、というところを感じるので今後を楽しみにしている。

初回スペシャルで仕方なかったのだろうが、とにかく長すぎた。個人的には芸能人の私生活に興味が無いので、このような裏話でどれだけの視聴者を獲得できるのかという気はあった。気になったのは、出演者が過去に飲酒運転をしていたのではないか、という印象を受ける場面があったことと、再現ドラマが安っぽいこと。
いずれにせよ手紙だけではやはりしんどいのでは。早くマンネリ化する可能性がある。

企画コンセプトに関してエールを送りたい。ぎすぎすした今の時代、総天然色のノスタルジーを視聴者に感じさせ,ほっとさせる番組がテレビ大阪の手で全国に発信できる意義は大きい。しかし、今、20代30代の女性を中心に、テレビ離れの空気が出始めている。ドラマ、お笑い番組、そして特にバラエティー番組の雲行きが怪しくなり始めたといわれている。芸の無いタレント同士のスタジオトークに視聴者が嫌気がさしてきているのだろう。「三丁目のポスト」は、番組のつくりから言うとこの落とし穴に落ち込む危険性が極めて大きい。結論としては、やはり視聴者が参加しないと番組が持たない。文化人・タレント・スポーツ選手と一般の視聴者とのコミュニケーションをどう持っていくのか、そしてテーマも「初恋」「同窓会」など新鮮で懐かしいものをキーワードとして作っていかないとなかなか視聴者を惹きつける事はできないだろう。その時代に流れていた歌や曲を「思い出の引出しの取っ手」として番組を作っていけば、この番組のコンセプトが生きてくるのではないか。

心のこもった手紙の大切さをあらためて感じた。ただ、番組のターゲットがわからない。若い世代は知らないのではないかと思われるタレントも出演していたので、せっかくのよい時間帯でもあり、子供達がよく知っている学者、たとえばノーベル賞を受賞した小柴博士など、名の通った学識者や文化人を紹介したほうがいいのではないか。芸能人ばかりではなく、親子や祖父母と孫などの間でやりとりされた手紙を紹介して、子供達に「手紙を書いてみようかな」という気持ちにさせるような内容のものにしてもらいたい。

手紙の本質を掘り下げてもらえればもっと面白くなる可能性があると思う。ただ、初回なので仕方ないとは思うが、108分は長すぎた。小粒だけれどもピリッと辛い、山椒のような番組のほうが後味も良く、次につながると思う。できるだけ1時間なら1時間の中で練り上げていただきたい。

以上

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