会社情報

番組審議会の報告

2007年 - 4月

開催月日 平成19年4月24日(火)
出席委員 和田亮介委員長、稲田紀男委員、堀江珠喜委員、綾智佳委員、芹川洋一委員、新井純委員、久保純夫委員
欠席委員 なし
会社出席者 富澤秀機 社長、田仲和彦 専務、鈴木清文 常務、井土保 常務編成局長、下舞浩 取締役報道スポーツ局長、為森隆 制作局長、徳岡敦朗 東京制作部副部長、岡村正信 番組審議会事務局長
審議内容 「三丁目のポスト」
平成19年3月24日(土)19:00〜20:54放送分の合評
【委員の発言要旨】  (文中敬称略)

見終わった後にホッコリする、家族団らんで見て面白かったね、というテレビの良さみたいなものを素直に感じさせてくれる番組だった。テレビの役割を考えると、インターネットが猛烈な勢いをもって伸びている中で、いわゆる最先端のメディアではないテレビの良さみたいなものをよく出していた。

直筆の手紙の良さというものを改めて認識させてもらった。話そのものは非常に面白く、家族で楽しむことができた。
 ただ、スタジオに出演していながら、手紙を取り上げられなかったタレントが2人ほどいたが、そのあたりどうなっていたのか。出すのであればみんな取り上げるとか、徹底した方が良かったのではないかと思う

手紙というものは、書かれた文字や便箋の選び方などによって、手紙を出した人の性格が分かるし、記念にもなる。場合によっては宝物になる。メールなどにない良さがある。そういう手紙の良さを見直すという発想、テーマは非常に良いと思う。
 ただ、相手が目の前にいるのにわざわざその相手に手紙を書いて読むというのはどうか。結婚披露宴などでよく親への手紙とかを読んでお涙頂戴をやる演出があるが、あの手法は面白くないし、非常にやらせっぽい感じがするし、感心しない。

メールや携帯電話が全盛の中で手紙を見直す、あるいは手紙でしか伝えられないものとはなにかを考える、ということで興味がわき、面白く見ることができた。企画としては良かったと思う。内容的には松居一代や島田洋七の話は非常に感動的で、ジーンとするところがあった。
 ただ、久本とか陣内とか、いわゆるバラエティー系の話が混在していて、構成上、若干違和感があった。大阪なので何かオチをつけないといけないのか、最後に陣内のお父さんの話を入れて、無理にオチをつけているのかな、という感じがした。また、ビデオレターが出てきたのも期待外れだった。

ジャガー横田、島田洋七とレスリングの吉田沙保里の三大話で、それぞれ娯楽性、意外性と感激度の要素が上手く入り、面白い内容だった。ただ、島田洋七のところなどは、だいたいみんな知っている話で、そういう展開だろうなと予定調和的な安心感はあった半面、それほどの感激度はなかった。レスリングの吉田の話は非常に良かった。
 ただ、全体的にお涙頂戴というか、感動の押し付けというか、ちょっと押し付けがましいという気がした。また、全体を通してみるとやはりバラバラな感じがして、もう少し絞込みが足りないというか、一本の糸で貫く部分があった方がいいのかな、という気がした。

セピア色した番組で、涙腺を刺激された。中でも島田洋七と吉田沙保里の話には涙が出てきた。しかし、そのうえであえて言わせてもらうと、視聴者を感激させ、涙を流させるからには、やはりその話が真実でなければならない、ということだ。その点、島田洋七の話には疑問符が付く。
 最近、島田洋七の話が注目されているが、今までのところ彼の語っていることはほとんど本人が一人でしゃべっていることで、第三者の検証を受けていない。芸能界でも、彼については作り話が多く、一概に信用するわけにはいかない、との指摘が公然と行なわれている。
 この番組の中でも、本人以外は誰の証言もないし、資料も証拠もなく、事実の裏付けがまったくなかった。もちろん創作ドラマとしてなら全く問題はないし、なんらクレームを付ける筋合いはないが、少なくとも事実に基づく番組として放送するなら、関係者に手紙を出すとか、第三者の証言をとるとか、せめてそれぐらいの努力はすべきだったのではないか。
 その点で、吉田沙保里の話は中京女子大の監督の発言も入れられて事実関係を検証しており、裏付けも行なわれ、真実の故に感動的だった。
 今後、この企画を続けるなら、事実の裏付けということには十分注意をしてほしい。

デジタル万能の時代に手紙を取り上げたことは良い企画であり、個人的にもうれしく思ったが、最初の期待はやや裏切られた感じだ。なぜかというと、手紙というのは、お涙頂戴だとか笑いとかだけではない、もっと純粋で真面目なものもあるはずなのに、それが番組からはあまり感じられなかったからだ。
 もっとも着眼点としては素晴らしい。人間の気持ちや心を一枚の便箋に託すというのは時代が移り変わっても残る行為だと思う。書く、書かないは別として、そういう点で手紙というのはある意味永遠のテーマになりうるのではないか、という気がする。これから展開を工夫していけばいい番組になりうる。是非これからいい番組に仕上げていただきたいと思う。

以上 

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