会社情報

番組審議会の報告

2007年 - 1月

開催月日 1月22日(月)
出席委員 和田亮介委員長、稲田紀男委員、堀江珠喜委員、綾智佳委員、芹川洋一委員、久保純夫委員
欠席委員 大江桂子委員
会社出席者 富澤秀機 社長、田仲和彦 専務、鈴木清文 常務、井土保 常務編成局長、下舞浩 取締役報道スポーツ局長、為森隆 制作局長、岡村正信 番組審議会事務局長
審議内容 「京都もうひとつの歴史 信長・秀吉・家康の野望」
(第一部)信長はなぜ本能寺を選んだのか?
平成18年12月30日(土)11:30〜12:55(85分)放送分の合評

【委員の発言要旨】

 「もうひとつの歴史シリーズ」の中では、数年前スタートした当時の「弁慶」とか「芭蕉」の頃に比べると格段と素晴らしく、クオリティーの高い番組に仕上がっている。
 一番感心したのは番組のコンセプトのスケールが大きく、今の時代を切り取っている要素があることだ。今の世界は、宗教と軍事力がセットになった形で地球に災いをもたらしている面があると思うが、今の日本の繁栄が、信長が実行した宗教と武力の分離、これが日本を変えて、今に続く日本の平和の形をつくった——というコンセプトが根っ子にある。そういうスケールの大きい視点でつくっているように思う。
 次に、世界遺産の京都という町のお寺めぐりの旅を楽しむことが出来たことだ。30日の番組では、両本願寺とか延暦寺等々、また翌31日は醍醐寺、北野天満宮、大徳寺等々、京都の一番いい名所旧跡を映し出していたので、そういう視点からも見応えがあった。
  ただ、若干気になった点もある。昔の、本来の本能寺の場所がどこにあったかを、やはり視聴者に伝えるべきだった。ナレーションでは、油小路蛸薬師という形で出ていたが、全国の人はそれでは分からない。やはり現代の地図の中にもとの本能寺がどこにあったかを示せば良かったと思う。

本能寺と種子島をつないでいく場面が面白く生き生きと出ていた。音楽もいいし映像もきれいだった。またナレーション、特に坂東三津五郎の語りがよかった。ただ、案内役の中山エミリは日ごろ和服を着慣れていないなという感じがして、もう少し服装指導、歩き方指導をしたほうがいい。この特番はテレビ大阪の一つの方向性を示しているのではないか、と思う。

表の歴史に対して、同時平行的に進んでいると考えられる真実みたいなものを掘り起こした番組としてよく完成されており、非常に面白く拝見した。また、法華宗というものがキーワードになり、それで信長、本能寺、鉄砲というものがつながっていく関係にあることを改めて勉強させてもらった。歴史好きにとってこういった番組は非常に興味があるので、今後も続けていただきたいと思う。

知的好奇心を満たしてくれる番組だったと思う。「もうひとつの歴史」というポイントをよく押さえており、信長がなぜ本能寺を選んだのか、歴史に疎い人間からすれば本能寺といえば当たり前のことだと思いがちだが、そういう問いの立て方というのがあるのか、ということからしてとても面白かった。
 ただ、歴史に詳しくない人間にとっては、ちょっと内容の幅が広いので85分の最初の3分の1くらいは、どこに話が行くのだろうと、混乱するところがあった。もし可能なら、もう少しコンパクトにすれば、頭に入りやすかったのかな、と思った。

まず、どのくらいの歴史的知識を持った視聴者を対象とした番組なのか、いまひとつよく分からなかった。自分の知識を補充する形で見た視聴者にとっては面白いのだろうと思うが、そうでない人には85分番組の中に、あまりにも多くのことが詰め込まれ過ぎていた。
 それから「前振り」が長過ぎる。何故、何故ばかりで、答えが全然出てこない。クイズ番組で答えのないのがドーッと最後まできたような印象がある。
 もう一点、タイトルは「信長はなぜ本能寺を選んだのか」ということだが、このタイトルからは、どうしてあの夜、信長は本能寺に泊まったのか、解き明かされるのを期待した人もいたのではないか。その点、結局最後まで見てもそれに対する答えは得られず、消化不良になった。 また、延暦寺はじめ、番組制作に協力してくれたところの取り扱いが、遠慮し過ぎというか、きれい事過ぎるのではないのか、という感じがした。

以上 

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