第199回「 泰山 <7> 」
~山頂へ~

2012年7月19日(木)放送

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中国の人々が尊敬してやまない聖なる山、世界複合遺産「泰山」。その山頂を目指すには、麓の岱廟にある「一天門」から登るのが一般的である。北京大学の楊辛教授は高名な泰山の研究者である。今回が43回目の泰山登山となる。最初はゆるやかな道のり。そこかしこに石碑が見られる谷にかかる橋を渡ると、道は次第に険しくなってくる。そして有名な十八盤の山道。始皇帝が作らせた石段が山頂に向かって伸びる。

第198回「 泰山 <6> 」
~岱廟~

2012年7月12日(木)放送

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伝説によれば、孔子も若い時に泰山を訪れ、「泰山に登れば天下はなんと小さいものか」と、感嘆したという。この故事にちなんで、泰山の山頂近くには、孔子を祀る孔子廟が建てられている。その泰山の麓に、中国三大宮廷建築の一つに数えられる建物がある。皇帝が、天と地の神を祀る儀式「封禅」を行った、「岱廟」の主殿「天貺殿」である。紫禁城の太和殿、曲阜の孔廟の大成殿と同じく、皇帝の住まいの格式をもって建てられている。

第197回「 泰山 <5> 」
~五岳の尊~

2012年7月5日(木)放送

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太古の昔、中国人の祖先たちは、天が5つの山に支えられていると信じた。その中で一番東にあるその山は、「五岳の尊」と呼ばれ、最も敬われた。伝説によれば、古代の中国の72人の帝王はすべて、この山で天を祭る儀式を行ったという。焚き木が燃え、炎と煙が空を焦がした時、王の権力は天に認められ、天に愛される。物語の続きを始めよう。世界複合遺産「泰山」。

第196回「 マカオ歴史地区 <8> 」
~名所の数々~

2012年6月28日(木)放送

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16世紀以降、マカオは東アジアへのキリスト教布教の拠点となった。マカオ司教区の範囲内には日本も含まれていた。その中心的役割を担ったのが「大堂」である。さらにマカオでは宣教師の育成も行われた。その育成の場として作られたのが「聖ヨセフ修道院及び聖堂院」。こちらの聖堂の内部は音響効果に優れていて、現在ではコンサート会場としても人気がある。またマカオには布教活動だけではなく、貿易の拠点としての側面もあった。

第195回「 マカオ歴史地区 <7> 」
~東西文化の融合~

2012年6月21日(木)放送

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東西文化が融合した街、マカオ。それを象徴する建物の一つが、「盧家屋敷」である。19世紀後半に作られたこの邸宅は、豪商・盧華紹の屋敷である。風水を考慮し、天井は吹き抜けになっている。そんな中国の伝統的な建築でありながら、窓にはステンドグラスも。いかにも西洋風である。一方で、ポルトガル人が作った建物の中にも、中国文化の影響が見られる。

第194回「 マカオ歴史地区 <6> 」
~建築群~

2012年6月14日(木)放送

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海のシルクロードの玄関口として栄えた、世界遺産「マカオ歴史地区」。16世紀にポルトガル人が住むようになって以降、マカオは東西貿易の一大拠点となった。そんなマカオには港町ならではの歴史的建築が今も残る。

第193回「 マカオ歴史地区 <5> 」
~海のシルクロード~

2012年6月7日(木)放送

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西暦1513年。一人のポルトガル人が中国にたどり着いたことで、その街の物語は始まった。ポルトガル人船長、ジョルジェ・アルバレス。以来、多くのポルトガル人がこの街に住むようになり、ここは東西貿易の一大拠点となった。東西の文化が世界で最も美しく融合し、独特の輝きを放つこの街の名は、マカオ。物語の続きを始めよう。世界文化遺産「マカオ歴史地区」。

第192回「 黄山 <9> 」
~芸術~

2012年5月31日(木)放送

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朱海慶さんは中国でも著名な芸術家である。朱さんは黄山を何度も訪れて写生を行っている。山中で筆を振るった彼の作品からは、黄山の現場の雰囲気が見事なほどに浮かび上がる。こちらは朱さんの『黄山』と名づけられた連作である。深い精神性を感じさせるその筆運びには、朱さんと黄山との心の対話が凝縮しているかのようだ。

第191回「 黄山 <8> 」
~黄山松~

2012年5月24日(木)放送

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松は黄山を代表する植物である。岩場でも逞しく育つ松は黄山特有の種類であり、「黄山松」と呼ばれる。通常の松の樹齢は数百年だが、黄山松はそれより長い。黄山の顔ともいえる、「迎客松」は、樹齢およそ1800年。誕生した時は三国志の時代である。

第190回「 黄山 <7> 」
~奇岩~

2012年5月17日(木)放送

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黄山には、岩に覆われた山ならではの珍しい生き物がいる。「黄山短尾猴(こうざんたんびこう)」。断崖絶壁で暮らしてきたため尻尾が退化して短い。猿の中では最も珍しい種類のひとつである。また、「猴子観海(こうしかんかい)」と呼ばれる、猿が眼の前に広がる雲海を眺めているように見える岩もある。こうした黄山の奇岩は、この山がかつて海の底にあったことに由来する。