第289回「黄山<11>」
~黄山の三大主峰~
2014年4月10日(木)放送
玄宗(げんそう)皇帝が名づけたといわれる、「黄山」。その大自然だけでなく、水墨画や漢詩に描かれた、文化的価値から、複合遺産とされている。72の峰からなる黄山には、1800メートルを超える、天都峰、蓮花峰、光明頂という3つの大きな峰がある。最高峰である蓮花峰は主峰の周りを多数の小さな峰が取り巻き、空に向かって咲く蓮の花のように見える。
第288回「黄山<10>」
~黄山の絶景~
2014年4月4日(金)放送
アジア最長の川、長江が流れる、中国・安徽省(あんきしょう)。かつて中国を席巻した、徽州商人を輩出した土地である。その故郷、西逓(せいてい)・宏村のほど近くに、中国人が愛してやまない名山がある。その山に登れば、「天下に山なし」と言われ、詩仙・李白は「金芙蓉」と讃えた。まさしく金色に輝く蓮の花の如き、幻想的な風景である。さらなる物語へと誘おう。世界複合遺産「黄山」。
第287回「曲阜の孔廟、孔府、孔林<12>」
~孔府の建築群~
2014年3月27日(木)放送
孔府は孔子の子孫たちの邸宅で、かつての名を「衍聖公府(えんせいこうふ)」といった。衍聖公とは、中華民国の時代まで孔子の直系の子孫に与えられていた、爵位の名である。歴代王朝から破格の待遇を受けてきた彼らは、広大な荘園を持ち、この孔府で政を行った。孔子の子孫たちの家は今も連綿と続いているが、現在その姿は孔府にはない。
第286回「曲阜の孔廟、孔府、孔林<11>」
~孔廟の建築群~
2014年3月20日(木)放送
孔廟は孔子の死の直後に作られた、2500年にも及ぶ歴史を持つ建物である。現在は建物数54棟、部屋数466室からなる。11世紀に創建された「杏壇(きょうだん)」は、孔子が弟子に講義した場所とされ、杏の木の下で教えたと伝わることから、杏にちなんだ名となっている。
第285回「曲阜の孔廟、孔府、孔林<10>」
~孔子の思想とその背景~
2014年3月13日(木)放送
孔子が生まれたのは紀元前6世紀。春秋時代の魯(ろ)という国の、身分の低い家の子だった。魯の国の祖・周公とは礼学の基礎を築いた人物であったが、孔子は周公を「聖人」と崇め、その思想にもこれが色濃く反映されている。「論語」の一説にはこうある。法や刑罰だけで民を統治すれば、民はそれをすり抜け、恥じることはない。徳や礼をもって統治すれば、民は恥を知り、自然と正しい行いをする、と。
第284回「曲阜の孔廟、孔府、孔林<9>」
~曲阜の“三孔”~
2014年3月6日(木)放送
孔子を祀る「孔廟(こうびょう)」。孔子の子孫たちが住居としてきた、「孔府(こうふ)」。そして、孔子とその子孫たちの墓がある「孔林(こうりん)」。中でも孔林は、面積が2平方キロと最も広く、ここに葬られてきた孔子の子孫は10万人以上、石碑は3000を超える。これら膨大な石碑に刻まれた筆跡は、書道研究の上で貴重な資料ともなっている。物語の続きを始めよう。世界文化遺産、「曲阜の孔廟、孔府、孔林」。
第283回「天壇<12>」
~祈年殿と皇穹宇~
2014年2月27日(木)放送
永楽帝の天地壇を大改修し、天壇としたのは、明の第12代皇帝・嘉靖帝である。嘉靖帝は、祭壇の圜丘壇を建設したのち、天帝と皇帝の祖先の位牌を納めた、皇穹宇(こうきゅうう)を作った。青い瑠璃瓦をふいた屋根の上には金の宝頂をいだだき、見る者の視線を天空へと誘う。またそれに続き、同じく円形で、三層の屋根からなる大享殿(だいきょうでん)を建造する。これが後に清王朝の乾隆帝の時に改修され、祈年殿となった。
第282回「天壇<11>」
~天檀の中心、圜丘壇~
2014年2月20日(木)放送
天壇でもっとも重要な場所である圜丘壇(かんきゅうだん)。一見すると建物の基礎部分だけのようだが、その中心にある天心石こそが天の中心であり、天と対話ができる唯一の場所なのである。現在では多くの観光客がその上に立って、自分や家族の幸福を祈るが、かつてここは、皇帝しか立てない場所だった。
第281回「天壇<10>」
~永楽帝の天地壇~
2014年2月10日(月)放送
明王朝の永楽帝は、紫禁城の造営とほぼ平行して、「天地壇(てんちだん)」(後の天壇)を作っている。ここは天と対話する場所である。天は丸く地は四角い、「天円地方」という中国の古代思想にのっとれば、天を祀る建物は円形であるのがふさわしい。ところが永楽帝の作った天地壇は、人間が住む住居のごとく、四角い建物であった。
第280回「天壇<9>」
~天と対話する場所~
2014年2月6日(木)放送
15世紀、明の第3代皇帝・永楽帝は南京から北平(今日の北京)へと都を移した。その永楽帝が、紫禁城と並び北京に作った建物が、天壇である。天壇は明王朝と清王朝の歴代皇帝が、天を祭り、五穀豊穣を祈った場所であった。今回の旅では、その建築をじっくりとご覧いただこう。