第319回「雲崗石窟(うんこうせっくつ)<9>」
~仏教美術の発展~

2014年11月6日(木)放送

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4世紀から6世紀まで、五胡十六国から南北朝時代にかけて、歴史を大きく変える文化が花開いた。南では陶淵明・王羲之などの知識人による貴族的な「六朝文化」。北では、北方民族の鮮卑の国・北魏が仏教美術を大いに発展させる。その北魏で、東西1キロの断崖に、無数の窟龕(くつがん)が穿たれ、5万体を超える仏像が刻まれた。
さらなる物語へと誘おう。世界文化遺産「雲崗石窟」。

第318回「ラサのポタラ宮歴史地区<13>」
~紅宮に眠る遺産~

2014年10月30日(木)放送

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類まれな指導者だったダライ・ラマ五世。その後継者であるサンギェー・ギャムツォは摂政として権勢を大いにふるい、現在に残る紅宮を建設した。ポタラ宮の壁画には、その建設の様子が描かれている。建設に携わった人々、祭祀を執り行った聖職者たち、完成の祝賀の儀式。歌舞音曲や、武芸の披露、相撲が行われている様子がいきいきと描かれている。

第317回「ラサのポタラ宮歴史地区<12>」
~ダライ・ラマ時代の遺産~

2014年10月23日(木)放送

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17世紀、ここデプン寺に、チベットとモンゴルの共同政権が誕生した。その政権に隆盛をもたらしたのは、ポタラ宮を再建した、ダライ・ラマ五世である。彼は優れた政治家であり、策士でもあった。当時、中国は成立したばかりの清王朝の時代。清はまだ辺境に強敵を抱えており、辺境にはチベット仏教を信奉する国が多かった。
そこで第3代皇帝・順治帝は、ダライ・ラマを最上級の待遇でもてなしたのである。

第316回「ラサのポタラ宮歴史地区<11>」
~ジョカン寺に眠る遺産~

2014年10月16日(木)放送

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チベット王朝、吐蕃の王、ソンツェン・ガンポは、周囲の国から2人の妃を迎えた。その物語がポタラ宮と並ぶ世界遺産であるジョカン寺に残されている。その本尊は釈迦が入滅前に作らせた、自らの12歳の時の像とされる「ジョウォ仏像」。唐王朝から嫁いだ、文成公主が携えてきたものである。しかしこのジョカン寺は元々、ネパールから迎えた妃・ティツン王妃が携えてきた、釈迦8歳の時の像を祀るための寺だった。なぜ2つの像は入れ替わったのだろうか。

第315回「ラサのポタラ宮歴史地区<10>」
~吐蕃王朝時代の遺産~

2014年10月9日(木)放送

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チベットを流れるラサ河は、チベット語で「キチュ」と呼ばれる。幸せの川という意味だ。この川の流域に栄えたチベット最初の王朝が、7世紀に成立した吐蕃。隆盛をもたらしたのはソンツェン・ガンポ王である。法王洞には吐蕃時代に造られたとされるソンツェン・ガンポの像が安置されている。そのかたわらには、2人の妃、ネパールから来たティツン王妃と、唐王朝から来た文成公主が寄り添っている。チベットは周辺の国々と密接な関係を結びながら、栄えてきたことがわかる。

第314回「ラサのポタラ宮歴史地区<9>」
~ポタラ宮に眠る遺産~

2014年10月2日(木)放送

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中国・チベット自治区の中心、ラサ。圧倒的な威容を誇りそびえるのが、ポタラ宮である。その内部には、膨大な歴史資料が、壁画という形で残されている。壮麗な建築ばかりでなく、こうした貴重な記録も、人類の大いなる遺産である。さらなる物語へと誘おう。世界文化遺産「ラサのポタラ宮歴史地区」。

第313回「三江併流<12>」
~三江併流のチベット族~

2014年9月25日(木)放送

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この地域で最も多い民族は、チベット族である。そのほとんどがチベット仏教を信仰するが、かつてこの地に入った宣教師によって、キリスト教の影響を受けたこともある。ゴシック式の教会「重丁教堂」や中国式建築の「小維西イエス聖心教堂」も残っている。さらに、ヨーロッパ人がもたらしたブドウ畑もある。一度も改良されておらず、フランスにも現存しない貴重な品種だという。

第312回「三江併流<11>」
~最も少ないトーロン族~

2014年9月18日(木)放送

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この地域に暮らす民族の中で、最も少ないのがトーロン族で、人口はおよそ7000人。トーロン族の生業は、麻と綿の糸を編んで作る、「トーロン毯」である。身にまとえば衣服となり、敷物としても使われる。色鮮やかな縞模様が美しい。原始的な風習も残すトーロン族。外の世界から隔絶されて生きてきた彼らは、牛を生贄として捧げ、天の神への畏敬の念を表す儀式を、今も守り続けている。

第311回「三江併流<10>」
~ヌー族の儀式~

2014年9月11日(木)放送

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世界自然遺産「三江併流」。この地に流れる大河の一つ、怒江の両岸には、川の名前の由来となった、ヌー族(怒族)が暮らしている。ヌー族には今も、シャーマン(呪術師)がおり、医者とカウンセラーの役割を担う。シャーマンによる魂を呼び戻す儀式は1時間にわたって行われ、最後に魂の象徴だという卵を食べると魂が戻る。

第310回「三江併流<9>」
~三江併流に暮らす人々~

2014年9月4日(木)放送

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雲南省にある三江併流には、16の民族が暮らしている。空飛ぶ民族といわれるリス族や、シャーマニズムが今も生きるヌー族。人口7000人と最も少ないトーロン族などである。彼らが住むこの地域は、峻険な山々の間を、3本の大河が流れる、他に類を見ない場所である。そこには多くの民族が暮らし、独特の文化が育まれた。さらなる物語へと誘おう。世界自然遺産「三江併流」。