第25話「赤壁・東の風」
(9月19日(日))
自分の謀略に気付かれた統(ほうとう)は、徐庶(じょしょ)を殺そうとした。しかし、徐庶は曹操軍を抜けたいという。安心した統は曹操軍を抜け出す策を与え去って行った。曹操軍で西涼にいる馬騰(ばとう)が反乱を起こしたという噂が流れた。徐庶は西涼の守りを願い出て、曹操は了承した。実は徐庶は自ら噂を流し、曹操軍を抜け出すことに成功したのだった。
曹操水軍では統が授けた軍船連結の策がついに完成し、曹操は大満足している。参謀の程(ていいく)は火攻めを心配していたが、曹操は立秋過ぎのこの時期に自軍に不利な東南の風が吹くはずが無いと高をくくっていた。連結軍船の上で盛大な酒宴を催し上機嫌の曹操であった。その連結軍船を対岸に眺めながら、周瑜は憂鬱であった。黄蓋と沢、そして統の謀略が全てうまくいったものの、火攻めの際肝心の風向きが良くない。南風のまま火攻めを行うと自軍に被害が出てしまう。何としても東南の風が欲しいのである。思い悩んでいた周瑜は突然血を吹いて倒れてしまった。
その頃、諸葛亮は劉備の密使と面会しており、手紙を手渡していた。密使が去った後へ、魯粛が現れ、周瑜が倒れたことを告げた。周瑜のテントに訪れた諸葛亮は既に病の原因を看破していた。東南の風のことを思い悩むことからくる心労だという。そこで諸葛亮は自分が東南の風を吹かせると約束した。
諸葛亮は七星壇に祈祷姿で現れ、風請いの儀式を始めた。しかし、一向に風は吹かない。周瑜は失望し始めていた。そこへ甘寧が蔡兄弟を逮捕したことの報告に現れた。周瑜は2人を処刑するよう命じ、ここに曹操方の密偵は始末されることとなる。
諸葛亮を信じたことを後悔し、周瑜は完全に東南の風を諦めてしまった。しかし、突然一陣の風が吹いた。それは東南の風であった。周瑜は風になびく軍旗を眺めつつ冷笑すると、諸葛亮抹殺の命令を下した。命令を受けた丁奉と徐盛は七星壇に急行するが既に諸葛亮の姿はなかった。諸葛亮は風が吹いたら周瑜が自分を抹殺すると見越しており、劉備軍に逃走の手配をさせておいたのだ。
諸葛亮逃亡を知らされた周瑜は驚くが、風が吹いている今が好機と見極め、曹操軍攻撃を指揮し始めた。逃亡した諸葛亮は無事に荊州の劉備軍に合流し、すぐに決戦が始まり必ず周瑜が曹操に勝つ旨を諸将に告げ、次々と軍令を下した。
その頃、曹操のもとに密書が届き、曹操は喜悦の表情になる。黄蓋が今夜投降すると知らせてきたのであった。
<スタッフ>
- 日本語版スーパーバイザー・・・大賀俊二
- 音響監督・・・麦島哲也
- 音響効果・・・小山恭生
- 絵コンテ・・・三浦 陽
<キャスト>
- 劉備…船越英一郎
- 曹操…鶴見辰吾
- 諸葛亮…石井正則
- 関羽…松永博史
- 張飛…山崎裕太
- 周愈…鈴木一真
- 魯粛…大石吾朗
- 趙雲…載寧龍二
- 程…佐々木崇雄
- 張遼…三好幸次
- 黄蓋…宇垣秀成
- 語り・・・鹿賀丈史