第24話「赤壁・苦肉の計」
()
呉軍テント内で周瑜(しゅうゆ)が諸将に命令を下している。しかし、老将黄蓋(こうがい)が異議を唱えた。これに腹を立てた周瑜は、黄蓋を棒叩きの刑に処し、とりなした甘寧(かんねい)をも侮辱した。この光景を、曹操方から投降してきたばかりの蔡和・蔡中(さいか・さいちゅう)がつぶさに観察している。
作戦会議後、魯粛は諸葛亮に黄蓋の件で不満を漏らした。すると諸葛亮は、あれは全て演技であったと答える。周瑜と黄蓋の魂胆を看破していた。
傷だらけの黄蓋のもとに、参謀沢(かんたく)が訪れた。沢も演技であったことを見通していた。黄蓋は彼に曹操への書簡を手渡し、密使として送りこんだ。
黄蓋からの書簡を読んだ曹操だが、黄蓋の投降に疑念を抱く。弁舌の沢が巧みに曹操を丸めこみにかかる。丁度そこへ、蔡和・蔡中からの密書が届き、周瑜の黄蓋処罰の事実を告げる。このことで真実味を感じた曹操は、ついに黄蓋投降を承知した。
呉軍に帰った沢は、蔡和・蔡中をいぶり出すことにした。蔡氏兄弟は甘寧を見張っていた。そこでテント内で、甘寧と沢はわざと周瑜への不満を口にする。蔡氏兄弟は罠とも知らず、テントに入って行き、自分たちは曹操の密偵だと告げ、甘寧・沢・黄蓋の曹操軍投降を信用してしまった。そして、兄弟は密書にて曹操にこのことを告げた。
それでも曹操は、まだ呉軍諸将の投降を信じ切れていない。そこで蒋幹(しょうかん)をまたもや派遣し虚実を探らせることにした。
蒋幹が周瑜を訪れると、周瑜は前回の来訪時に密書を盗んだことを攻め、西山へ追放してしまう。仕方なく西山に向かう蒋幹は途中、諸葛亮に並ぶと称される?統(ほうとう)と出会った。
?統は周瑜をさげすみ曹操のもとへ行きたいという。蒋幹は喜んで?統を曹操に引き合わせた。?統は陣営を見たいと願い出た。曹操が水軍を紹介したとき、?統が優れた軍医がいるか質問した。慣れない北方人が船に乗る場合、軍医が必要だという。事実、曹操軍は病に悩まされていた。唯一の解決策は船を繋ぎ合わせ陸の様にすることであると?統は加えた。すると曹操は、?統の策を取り入れるよう指示を出した。
?統は呉軍の諸将の投降を説得しに行くといい、一度呉軍に帰ることとなる。?統は作戦の成功に満足していた。曹操に吹き込んだことは全て周瑜と打ち合わせたことであったのだ。
しかし、満面の笑みで船に乗り込む?統は突然、徐庶(じょしょ)に引き止められ驚く。彼は、黄蓋・沢の謀略、?統の計略の全てが火攻めを行うためだと見通していたのだった。
<スタッフ>
- 日本語版スーパーバイザー・・・大賀俊二
- 音響監督・・・麦島哲也
- 音響効果・・・小山恭生
- 絵コンテ・・・大原 実
<キャスト>
- 曹操…鶴見辰吾
- 諸葛亮…石井正則
- 周愈…鈴木一真
- 魯粛…大石吾朗
- 黄蓋…宇垣秀成
- 甘寧…酒巻光宏
- 蒋幹…平野俊隆
- 語り・・・鹿賀丈史