第23話「赤壁・十万本の矢」
(9月5日(日))
諸葛亮は蔡瑁・張允(さいぼう・ちょういん)の失脚の全てを見通していた。魯粛からそのことを告げられた周瑜は、益々諸葛亮を恐ろしく感じ、都合良く抹殺する方法を思案する。
周瑜が考え付いた諸葛亮抹殺計画は10日以内に10万本の矢を用意するという無理難題を押し付け、用意できない、もしくは逃げ出した場合に諸葛亮を処刑するというものであった。すると、諸葛亮は平然と難題を受け、しかも3日以内に用意すると言い、誓約書まで交わしてしまった。
周瑜は諸葛亮が逃げ出すと思いこみ、逃走阻止に対する万全の措置を取った。
諸葛亮は、2日目の霧の濃い夜に突然、24艘の船を出した。諸葛亮を敬服し心配している魯粛は逃走するためとばかり思ったが、船は曹操軍目がけて突進していく。
曹操軍の前まで来た諸葛亮は開戦の合図を鳴らす。曹操軍は奇襲だと思い、押し寄せる呉軍船に対し、弓を引き絞り、一斉乱射を始めた。曹操軍の弓は次々に呉軍船に突き刺さる。その時、諸葛亮は何もせず、ほくそ笑みながら魯粛と酒を酌み交わしていただけであった。船全体に矢が突き刺ささると、退却の号令が発せられた。
諸葛亮はこの日に霧が出ることを見通していた。そこで、奇襲に見せかけ、視界の悪い濃霧のために曹操軍が矢を乱射するのを見越し、それを回収するという手段にでたのだ。
翌朝、周瑜はいよいよ諸葛亮を捕らえようと息巻くが、諸葛亮は10万本を超える矢の用意ができていた。周瑜は呆気に取られながら、笑顔で取り繕った。
数日後、周瑜は曹操軍を破る妙計を思索している。諸葛亮の知謀の偉大さを再認識した周瑜は、2人でお互いの考えを手のひらに書き、見せ合うことにした。彼らの手には「火」の文字が書かれていた。
その時、周瑜のテントに曹操に殺された蔡瑁の一族、蔡和と蔡中が投降してきた。蔡瑁を殺された復讐をしたいという。周瑜は快諾したが、テントを去る2人を冷笑しながら見送った。
<スタッフ>
- 日本語版スーパーバイザー・・・大賀俊二
- 音響監督・・・麦島哲也
- 音響効果・・・小山恭生
- 絵コンテ・・・寺田和男
<キャスト>
- 曹操…鶴見辰吾
- 諸葛亮…石井正則
- 周愈…鈴木一真
- 魯粛…大石吾朗
- 于禁…山田純大
- 甘寧…酒巻光宏
- 荀攸…大林隆介
- 語り・・・鹿賀丈史