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2012年2月6日(月)

株式会社ヒライ

きれいな脂が体中に染み渡るようなお肉・・・神戸ビーフを、初めていただきました。
兵庫県で飼育されている但馬牛のうち、上品質のものが神戸ビーフとして認定されています。
その割合は、但馬牛全体の5割程度という現状です。
それに対して、7割以上の神戸ビーフの認定を受ける企業です。
その裏には、交配の組み合わせやエサの配合などの独自技術が存在します。
また5年前から始めた繁殖も畜産農家としては珍しいといいます。 専門分野に精通した人材や組織化による人材確保で一貫生産を可能にしています。
一貫生産に取り組むのは、訳があります。
飼育だけの場合の子牛の価格と飼育にかかる費用は、神戸ビーフに認定されなければ採算が合わないそうです。
今後は日本市場の約1.5倍高く売れる中国などの海外市場への参入も本格化していくそうです。

2012年1月23日(月)

こと京都

京都市伏見区にある「こと京都」は、先代から多種多様な野菜を栽培していました。
17年前に家業を継いだ山田敏之社長は、複数野菜の栽培では効率が悪いと考え、1年中栽培可能な京都の伝統野菜“九条ネギ”に専念して栽培することを決めました。
今では九条ネギを生産し自社工場で加工して直販するというスタイルも確立しました。
販売はネギそのものではなくカットネギという加工品にして、当時白ネギが主流だった東京のラーメン店に社長が飛び込み営業をかけました。
生産者自らが売り込む熱意と白ネギ文化の東京市場ではまだまだ参入の余地がありました。
そして、京野菜のブランド力が加わって当時の年商400万円から現在4億円とこの17年で急成長しています。
畑から加工作業場などすべて見せていただき、 取材中はずっと食欲そそる香りに包まれていました。

2012年1月16日(月)

柑香園

一歩足を踏み入れるとミカンの香りに包まれ、笑い声と元気な声が飛び交う和やかな雰囲気でした。
ここは和歌山県紀ノ川市で、柑橘類を栽培している農園です。
果物に防腐剤やワックスを使わず、肥料も人体に無害のものを選んでいます。
収穫する際は、ひとつひとつタマゴを扱うように丁寧に行っています。
各木の札は出荷までのタイミングを表していて、1本1本味見をして一定の基準をクリアしたものだけを出荷しているそうです。
50cmほどしか離れていない木で収穫するみかんが、味が全然違うのに驚きました。
主力商品のみかん他に珍しい柑橘「きよみ」「はるみ」、ゴールデンライムや国産グレープフルーツなども栽培し、 他の農家と差別化を図っています。
商品は全て直販し、季節外れの時期は加工品作りを行っています。
「これからの時代の第一次産業は、土地で生産するだけでなく、加工や流通にも力を注ぐべき」という社長の考えがあります。
将来安定した農業経営をしたいと、毎年若い人が修行に訪れます。
ここでは、国が去年3月から推進している「第6次産業」を実践しています。
1+2+3=6  1×2×3=6
1次産業(生産)に2次産業(加工)と3次産業(流通を中心としたサービス)を取り入れることにより、 収益が確保できる経営を呼びかけているものです。
柑香園の従業員の平均年齢は25歳。
農作業が楽しくて仕方ないと農園でイキイキと働く姿や次々に加工品のアイデアを出す彼らは、 これからの日本式農業モデルになると思います。

2011年12月26日(月)

有限会社 伊吹そば

滋賀県米原市、伊吹山の麓にたたずむ一軒の店。
いまや観光地となっている、お蕎麦屋さんです。
取材した日は平日にも関わらず、ずっと行列ができていました。
休日にもなると、他府県からも合わせ400〜500人が伊吹蕎麦目当てに訪れるそうです。
なぜ、そこまで注目されているのか?
奈良時代に伊吹山のふもとで蕎麦作りが始まったことから、蕎麦発祥の地と言われています。
この辺りでは昼夜の気温差が大きく実の締まった旨い蕎麦が生まれます。
この土地で蕎麦を復活させ、伊吹の観光資源にもなれば・・・と、 山田社長がこれまでの材木屋をやめて、8年前の60歳の時にオープンさせた蕎麦のお店です。
伊吹で栽培した蕎麦を挽き、伊吹の地下水を使用します。
おろしそばの大根は品種改良を重ね、昔ながらの「伊吹大根」を復活させました。
地産地消を第一に考えています。
地元を盛り上げるための60歳からのリスタートは、ただならぬプレッシャーがあったと思います。
食した感想は、のど越しが良く、コシが強く、香りは清々しく、甘みもある。
大根の辛みがほどよく、七味などの調味料がいらないバランス。
現役で厨房に立つ社長は、眩しかったです。
「伊吹そば」を一度ご体験ください!